家庭医学館 「非骨化性線維腫」の解説
ひこつかせいせんいしゅ【非骨化性線維腫 Non-ossifying Fibroma】
良性の骨腫瘍(こつしゅよう)のなかでは、骨軟骨腫(こつなんこつしゅ)、内軟骨腫(ないなんこつしゅ)、巨細胞腫(きょさいぼうしゅ)についで4番目に多くみられる腫瘍です。
大腿骨(だいたいこつ)(ももの太い骨)、脛骨(けいこつ)(すねの太い骨)などの長管骨(ちょうかんこつ)(大きくて長い管状の骨)によく発生します。
ほとんどの場合、無症状ですが、まれに痛みが生じることもあります。
また、病的骨折(腫瘍で骨が弱くなり、わずかな外力で骨折すること)がおこって初めて発見されることもあります。
この腫瘍は、10歳代によくみられるもので、ついで10歳未満に多くみられます。
X線像には、この腫瘍に特徴的な石鹸泡状陰影(せっけんあわじょういんえい)と呼ばれる陰影がみられるので、診断は容易です。
[治療]
骨折のおこる危険性がなければ、経過を観察するだけで十分です。
腫瘍が大きくなり、骨皮質(こつひしつ)(骨の外側をおおうかたい部分)が薄くなって、骨折する危険があるときには、手術を行ないます。
手術は、掻爬(そうは)(腫瘍をかきとる)して、そのあとに骨移植を行なう方法が用いられます。
まれに再発がみられますが、ほとんど1回の手術で治ります。