韮・韭(読み)にら

精選版 日本国語大辞典 「韮・韭」の意味・読み・例文・類語

にら【韮・韭】

〘名〙 ユリ科の多年草。アジア原産で、葉を食用にするため古くから栽培されている。高さ三〇~四〇センチメートル。全体に強い匂いがある。鱗茎は狭卵形でラッキョウに似ている。葉は束生し、狭線形で扁平、長さ約三〇センチメートル。秋、葉間から花茎をのばし、半球形の散形花序をつける。花は白く、径六ミリメートルほどで柄があり、やや密につく。花被片は六枚あって平開し先は鋭くとがる。漢名、韮。みら。こみら。ふたもじ。《季・春》
▼にらの花《季・夏》
※殿暦‐康和四年(1102)四月一九日「従今朝服薬、ニラ
[語誌]「新撰字鏡」には「韮 太々美良」とあり、「十巻本和名抄‐九」には「韮〈略〉和名古美良」とある。平安時代にはタダミラ(タタミラ)・コミラなどのミラ系が中心。後期から末期にはニラも現われ、「観智院本名義抄」には「タダミラ ニラ コミラ」と並んでいる。中世から近世は、ニラが優勢。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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