音曲噺(読み)おんぎょくばなし

精選版 日本国語大辞典 「音曲噺」の意味・読み・例文・類語

おんぎょく‐ばなし【音曲噺】

〘名〙 話の効果として楽屋三味線鳴物をとり入れて演ずる落語江戸時代、文化年間(一八〇四‐一八)、初代船遊亭扇橋が始めたといわれている。
※落語・猫の忠信(1897)〈六代目桂文治〉「音曲(オンギョクバナシ)とても其(その)通り話の内に自然と音曲を遣(や)らんければならぬ様になりまするのが是れが音曲話で」

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改訂新版 世界大百科事典 「音曲噺」の意味・わかりやすい解説

音曲噺 (おんぎょくばなし)

落語の分類の一つ。落語の口演途中で,楽屋の三味線や鳴物を伴奏にして,演者自身の唄,または下座(げざ)の唄を入れて噺の進行を効果的にするスタイル。初代三笑亭可楽門下の初代船遊亭扇橋(?-1829)を元祖としている。代表的な音曲噺としては,《稽古屋》《紙屑屋》《味噌蔵》《電話の散財》などがある。
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