…さらに記載事項の増加した《本朝武鑑》や元禄年間(1688‐1704)の《太平武鑑》《正統武鑑》など,宝永・正徳(1704‐16)の《賞延武鑑》《一統武鑑》などが刊行された。また,江戸の須原屋茂兵衛によって元禄・宝永期の《太平武鑑》《一統武鑑》に続いて《正徳武鑑》(1716)が刊行され,以後年号を付して逐次改版して幕末まで続いた。出雲寺和泉掾刊行の《大成武鑑》も元文(1736‐41)ころから続刊された。…
…また,江戸時代には俳書がよく出版されるが,元禄(1688‐1704)ごろからは京都の井筒屋庄兵衛がこれを独占し,同様に謡本では山本長兵衛,浄瑠璃本では山本九兵衛などが独占した。江戸では須原屋茂兵衛の〈武鑑〉〈地図〉,大坂で炭屋五郎兵衛の後藤(芝山)点〈四書〉〈五経〉のような独占を生じた。 蘭学書ははじめ禁制であったが,のち禁を緩め,1774年(安永3)杉田玄白訳《解体新書》(5冊)に始まり,天文学,科学,暦法に及び,幕末には兵書が多くなる。…
…江戸ははじめ上方有力本屋の出店が多かったが,18世紀後半から江戸で成長した本屋が活躍した。《武鑑》や江戸地図,さらに漢学・蘭学の本を出した須原屋茂兵衛とその一門,歌麿や写楽の浮世絵を刊行し,黄表紙にベストセラーを出した蔦屋重三郎(つたやじゆうざぶろう)など特色ある本屋が現れた。江戸の本屋は19世紀初めで80軒ほどであった。…
※「須原屋茂兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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