顧【がい】之(読み)こがいし

百科事典マイペディア 「顧【がい】之」の意味・わかりやすい解説

顧【がい】之【こがいし】

中国,東晋の文人画家。字は長康。江蘇の人。364年建康の瓦官寺の壁に維摩(ゆいま)像を描き,405年に文学の才を認められて散騎常侍に任命された。奇行,逸話が多く〈痴絶〉といわれ,〈画絶〉〈文絶〉とともに〈顧【がい】之の三絶〉と評された。山水画人物画を得意とし,陸探微張僧【よう】(そうよう)と併せて六朝三大家と称された。画論《論画》《画雲台山記》を著して対象の逐一的模写を否定し,重点的描写による表現の自律性を主張。顧【がい】之筆と伝えられる《女史箴図(しんず)》は唐代の模本と推定される。
→関連項目勧戒画小林古径人物画陸探微六朝文化

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