改訂新版 世界大百科事典 「食糧証券」の意味・わかりやすい解説
食糧証券 (しょくりょうしょうけん)
食糧管理特別会計の発行する政府短期証券で,略して糧券ともいう。食糧証券は次の2種類に分類される。第1は,食糧および農作物等の買入代金に充当するため,1年以内に償還されることを条件に発行される政府証券で,食糧管理特別会計法3条1項を根拠としている。この食糧証券は,通常は年度を経過して,翌年度の歳入金をもって償還され,年度越し食糧証券(年度越し糧券)とも呼ばれている。なお,この食糧証券の借換証券も,食糧管理特別会計法4条1項により発行が可能である。第2は,食糧および農作物等の買入代金の支払に当たって一時的に資金が不足している場合に,年度内償還を条件に発行される政府証券で,食糧管理特別会計法3条2項を根拠としている。この政府証券の借換証券も同法4条2項によって発行が可能であるが,3条2項によって発行される食糧証券とともに当該年度の歳入金をもって償還される必要がある。なお,食糧証券の発行限度額は毎年度特別会計の予算総則で定め,国会の議決を経なければならない。
執筆者:富田 俊基
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報