飯鮨(読み)イイズシ

デジタル大辞泉 「飯鮨」の意味・読み・例文・類語

いい‐ずし〔いひ‐〕【×鮨】

塩をしてらしたサバアユなどに、塩飯を詰めて元の形にもどし、積み重ねて数日から1か月間熟成させた生成なまなり。生熟なまなれ。 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「飯鮨」の意味・読み・例文・類語

いい‐ずしいひ‥【飯鮨・飯鮓】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 押し鮨の一種。飯の上にハモマツタケタケノコなどをのせたもの。京都六条、奈良などの名物月夜
    1. 飯鮨<b>①</b>〈人倫訓蒙図彙〉
      飯鮨〈人倫訓蒙図彙〉
    2. [初出の実例]「四月〈略〉飯鮓 すしと斗も」(出典:俳諧・毛吹草(1638)二)
  3. 飯に魚、ときに野菜や麹などを混ぜて漬けこみ、発酵させて作る鮨。いずし。

飯鮨の語誌

元来「すし」とは魚介類塩漬けにして自然発酵させたものであったが、発酵を早めるために飯を加え、その飯もいっしょに食べるようになり、現在の「すし」へと移行するが、「いいずし」は、魚よりは飯が主体の、現在の箱ずしやこけらずしなどに近いものであったと思われる(雍州府志)。その色の白さから「月夜」とも呼ばれた。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「飯鮨」の解説

いずし【飯鮨】

なれずしのうち、塩漬けにした魚を飯および麹(こうじ)とともに漬け込み、乳酸発酵させたもの。多くの場合、野菜を一緒に漬け込み、発酵した米をつけたまま、野菜とともに食べる。北海道東北で鮭・にしんなどを用いたものが、北陸でぶり・さばなどを用いたものが作られ、特に、石川金沢のかぶらずし、秋田のはたはたずしなどが知られる。⇒なれずし

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