馴合訴訟(読み)なれあいそしょう

精選版 日本国語大辞典 「馴合訴訟」の意味・読み・例文・類語

なれあい‐そしょうなれあひ‥【馴合訴訟】

  1. 〘 名詞 〙 第三者権利を害する目的で、原告被告が通謀して提起する訴訟債務者財産をかくすために虚偽の権利者に訴えを提起させるなどの類。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「馴合訴訟」の意味・わかりやすい解説

馴合訴訟 (なれあいそしょう)

当事者が馴れ合って民事訴訟を行い,その結果第三者の権利を害するおそれがある場合に,この訴訟を馴合訴訟という。たとえば,債権者Aの強制執行を免れるため,債務者BがC(Bの親族友人であることが多い)を債権者とする架空の債務を負担し,Cの起こした訴訟で故意に敗訴しCに先に強制執行をさせて財産を移転しようと意図している場合のB,C間の訴訟がその典型である。このように当事者間の訴訟の結果によって権利を害される第三者は,自分も当事者となってその訴訟に参加することが認められ,これを詐害防止参加という(民事訴訟法47条)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android