高床建物(読み)たかゆかたてもの

山川 日本史小辞典 改訂新版 「高床建物」の解説

高床建物
たかゆかたてもの

掘立柱建物のうち,とくに地表から高い位置に床を張った建物をいう。弥生土器銅鐸(どうたく)絵画に描かれた高床倉庫典型とするが,弥生時代には物見櫓(ものみやぐら)や楼観(ろうかん)風建物の存在も推測される。古墳時代には高床住居家形埴輪のなかに認められ,和歌山県鳴滝(なるたき)遺跡のように,総柱形式の大規模な高床倉庫が出現。古代には,出雲大社や伊勢神宮本殿などの神殿建築,正倉院宝庫に代表される倉庫建築,平城宮や難波宮楼閣(ろうかく)建築へと分化して発展する。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高床建物の言及

【神社建築】より

…この板倉形式の社殿こそ内宮・外宮正殿の形式が生まれる前の姿を示すものであり,かつそれが前述した土器や銅鐸などに描かれた高床の建物とつながることになる。千木,堅魚木,棟持柱などの部材は,神社以前の原始的な高床建物においては,それぞれ構造上の必要から生まれた部分であったであろう。しかし伊勢神宮が成立したころにはすでに本来の構法上の理由は見失われ,かわって形式化と象徴化が進行していた。…

※「高床建物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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