高見山地(読み)タカミサンチ

デジタル大辞泉 「高見山地」の意味・読み・例文・類語

たかみ‐さんち【高見山地】

三重奈良両県にまたがる山地。主峰高見山を中心に東西約40キロメートル、標高1000メートル前後の山が連なる。スギヒノキの美林地帯で、冬の樹氷有名。山地の西半分は室生むろう赤目青山国定公園一部、東半分は赤目一志いちし峡三重県立自然公園に属する。奥宇陀うだ山地。

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改訂新版 世界大百科事典 「高見山地」の意味・わかりやすい解説

高見山地 (たかみさんち)

奈良・三重県境中北部を東西に走る山地で,宇陀山地ともいう。主峰高見山(1248m)や三峰(みうね)山(1236m)など標高1000m級の峰が連なる。山地の南麓は断層地形を呈し,西南日本を内帯と外帯とに分ける中央構造線が通り,その構造谷を東へ櫛田川,西へ吉野川(紀ノ川)が流れる。北部には,近畿地方では珍しい孤立峰の火山群として知られる室生(むろう)山がある。高見山の山頂はとがっていて眺望がきき,紅葉や冬季の樹氷が美しい。この付近は,奈良盆地の国中(くんなか)に対して山中とよばれる。櫛田川と吉野川の分水界である高見峠(904m)は,江戸時代から伊勢街道が通る交通の要所であった。この街道は現在も国道166号線として,奈良と三重の両県を結ぶ要路となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高見山地」の意味・わかりやすい解説

高見山地
たかみさんち

三重県中西部、櫛田(くしだ)川上流の北側に東西に連なる山地。東の局(つぼね)ヶ岳(1029メートル)から西の高見山(1248メートル)まで延長約25キロメートルで、西半部の稜線(りょうせん)は三重・奈良の県境をなしている。この山地の南麓(なんろく)を、西南日本を内帯と外帯に分ける中央構造線の大断層が走り、比高約200メートルの急斜面が東西に屏風(びょうぶ)のように連なり、その前面にケルンコルの列が並び、断層崖(がい)とケルンコルの間にケルンバットが続く典型的な断層地形をみることができる。山地の西半部は室生赤目青山国定公園(むろうあかめあおやまこくていこうえん)に、東半部は赤目一志(あかめいちし)峡県立自然公園に属し、登山、ハイキング、釣り、キャンプなどの適地が多い。

[伊藤達雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高見山地」の意味・わかりやすい解説

高見山地
たかみさんち

三重県中部から奈良県東部にかけて東西に連なる山地。西は高見山から東は局 (つぼね) ヶ岳 (1029m) まで,約 25kmに及ぶ。最高峰は高見山 (1248m) 。高見峠から三峰 (みうね) 山までは三重・奈良の県境を形成。南麓は櫛田川に沿う中央構造線に面し,比高約 200mの断層崖が屏風のように連なり,典型的な断層地形をなす。スギ,ヒノキの美林地帯で,山地の大部分は室生赤目青山国定公園に属する。

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