高野十谷(読み)こうやじつたに

日本歴史地名大系 「高野十谷」の解説

高野十谷
こうやじつたに

高野山内の壇上伽藍の周辺地域をいう。多くの子院があり、江戸時代には西院さいいん谷・みなみ谷・谷上院たにがみいん谷・本中院ほんちゆういん谷・一心院いつしんいん谷・五之室ごのむろ谷・千手院せんじゆいん谷・小田原おだわら谷・往生院おうじよういん谷・蓮華れんげ谷に分れていた(続風土記)。西院谷は大門から東に延びる谷で、壇上伽藍の西および南側にあたり、おおよそ中門辺りまで、南谷はその東に続き、壇上伽藍の南東にあたる。谷上院谷は壇上伽藍の北西にあり、弁天べんてん岳に続く谷筋で、おおよそ壇上伽藍の大塔の北辺りまで、それより東へ壇上伽藍沿い六時鐘楼ろくじのしようろう辺りまでを本中院谷という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高野十谷の言及

【高野山】より

…その北東に朱塗り,2層の根本大塔,北西に西塔があり,ほかに孔雀堂,准胝堂,御影堂,愛染堂,大会堂,不動堂,御社(ごしや)などが建つ。 壇上伽藍の周辺地域を〈高野十谷(じゆつたに)〉という。江戸時代には西院谷,南谷,谷上院谷,本中院谷,一心院谷,五之室谷,千手院谷,小田原谷,往生院谷,蓮華谷に分かれていた。…

※「高野十谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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