高野辰之(読み)たかのたつゆき

精選版 日本国語大辞典 「高野辰之」の意味・読み・例文・類語

たかの‐たつゆき【高野辰之】

国文学者。長野県出身。長野師範卒。上田万年師事東京音楽学校教授。歌謡史、演劇史を専門とし、文献を重視した考証的研究に力を尽くした。著作日本歌謡史」「日本演劇史」など。明治九~昭和二二年(一八七六‐一九四七

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デジタル大辞泉 「高野辰之」の意味・読み・例文・類語

たかの‐たつゆき【高野辰之】

[1876~1947]国文学者。長野の生まれ。東京音楽学校・大正大学教授。上田万年に師事。歌謡・演劇史を研究。著「日本歌謡史」「日本歌謡集成」「日本演劇史」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「高野辰之」の意味・わかりやすい解説

高野辰之 (たかのたつゆき)
生没年:1876-1947(明治9-昭和22)

国文学者,演劇学者。号斑山はんざん)。長野県生れ。高野仲右衛門の子。1897年長野師範学校卒業,翌年中等教員国語科試験に合格して上京上田万年に師事。文部省の国定小学読本編纂委員,東京音楽学校(現,東京芸術大学音楽学部)邦楽調査掛を経て,1910年同校教授となる。広く文献資料を収集・考証し,邦楽,歌謡,演劇の芸態とその史的研究の先駆者として未踏の分野を開拓した。東京音楽学校では黒木勘蔵助手として《近世邦楽年表》の編纂に従事,邦楽科の設立尽力した。25年論文《日本歌謡史》により文学博士学位を受け(翌年刊行),26年から東京大学で日本演劇史を講じ,のち大正大学教授に就任。28年《日本歌謡史》で日本学士院賞受賞ほかに《浄瑠璃史》(1900),《歌舞音曲考説》(1915),《日本歌謡集成》12巻(1928-29),《江戸文学史》(1935-38),《芸林逍遥》(1938)などの著書がある。また書籍,書画の収集家としても有名で,収集品は〈斑山文庫〉と呼ばれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高野辰之」の意味・わかりやすい解説

高野辰之
たかのたつゆき
(1876―1947)

国文学者、演劇研究家。号斑山(はんざん)。長野県に生まれる。1897年(明治30)長野師範学校卒業。上田万年(うえだかずとし)に師事。文部省の国語教科書編纂(へんさん)委員を経て、東京音楽学校教授となり邦楽科の設立に尽力。のち東京大学講師、大正大学教授。日本歌謡史、日本演劇史を研究、1928年(昭和3)『日本歌謡史』で学士院賞を受賞。主編著に『歌舞音曲考説』『日本演劇の研究』『日本歌謡集成』『江戸文学史』『日本演劇史』がある。書籍書画を収集し、斑山文庫として知られた。唱歌の作詞者としても著名。

[菊池 明]

『『日本演劇史』(1947~49・東京堂)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高野辰之」の解説

高野辰之 たかの-たつゆき

1876-1947 明治-昭和時代の国文学者。
明治9年4月13日生まれ。上田万年(かずとし)に師事,明治43年東京音楽学校(現東京芸大)教授となる。日本の歌謡,演劇史の学術的研究をおこない,「日本歌謡史」で昭和3年学士院賞。「春が来た」「朧(おぼろ)月夜」「故郷(ふるさと)」などの文部省唱歌を多数作詞した。昭和22年1月25日死去。72歳。長野県出身。長野師範卒。号は斑山。著作に「日本演劇史」「日本歌謡集成」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高野辰之」の意味・わかりやすい解説

高野辰之
たかのたつゆき

[生]1876.4.13. 長野
[没]1947.1.25. 長野
国文学者。文学博士。号,斑山。長野師範学校卒業。東京音楽学校教授,東京大学講師などを歴任。日本の歌謡研究の草分けで,『日本歌謡史』 (1926) により帝国学士院賞受賞。ほかに『歌舞音曲考説』 (1915) ,『江戸文学史』 (1935) ,『日本演劇史』 (1947~49) など。

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