かみゆい‐どこ かみゆひ‥【髪結床】
〘名〙
① 江戸時代、男の髪を結い、髭
(ひげ)、
月代(さかやき)などを剃る業。昔は結い賃が一銭だったことから一銭床ともいった。
橋詰や
河岸の
空地などに床店を出す出床
(でどこ)と、
町屋に借家して営業する内床
(うちどこ)がある。かみいどこ。髪結屋。髪床。床。
浮世床。
※浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)下「かかる所へ西橋詰の髪結床(ドコ)より、さばき髪のわかい者、楊枝くはへて来りしが」
※西洋聞見録(1869‐71)〈村田文夫〉前「男子頭髪を
巻縮せしむるに
烙鉄を用ゐると聞きしが、果して梳髪店
(カミユヒドコ)に於て之をなすものあり」
かみい‐どこ【髪結床】
〘名〙 「かみゆいどこ(髪結床)」の変化した語。
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)二「湯の行
(い)き返りや髪結所
(カミイドコ)あたりにぶらついて居て」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の髪結床の言及
【髪結】より
…鑑札のない営業者は家主ともども罰せられ,1852年(嘉永5)には鑑札の数は1700枚に達した。 髪結床には町境,橋詰め,川岸などの空地に床場をかまえる出床(でどこ)と,町内に家を借りて営業する内床(うちどこ)があり,出床は内床の支店の場合が多かった。〈床〉は取りたたむことのできるような簡略な仮店で,床店ともいった。…
【床屋】より
…古くから世界の各地に存在し,その職掌は現在のものより広かったことが多い。
[日本]
〈床屋〉の語は江戸時代に生まれたことばで,髪結の店,つまり,髪結床(かみゆいどこ)の俗称であった。簡単に取りたたむことのできる仮設の床店(とこみせ)が多かったための称で,橋詰め,川岸,道路ぎわなどの床店を出床(でどこ)と呼ぶのに対して,町内の家屋を使って営業する場合でも,内床(うちどこ)といった。…
※「髪結床」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」