鬢付油(読み)びんつけあぶら

精選版 日本国語大辞典 「鬢付油」の意味・読み・例文・類語

びんつけ‐あぶら【鬢付油】

〘名〙 髪の乱れるのをふせぐために用いる練り油。蝋と油とで固く練り合わせ、香料を加えたもの。江戸時代元祿一六八八‐一七〇四)頃から用いられた。びんつけ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鬢付油の言及

【髪油】より

…大別すると,髪につやと潤いを与えるものと,整髪を主たる目的にしたものとがある。日本の伝統的化粧品のなかでは,前者には水油,後者には伽羅之油(きやらのあぶら)とよばれていた鬢付油(びんつけあぶら)があった。現代では狭義にはヘアオイル,香油であるが,広義にはヘアクリーム,ポマード,チック,ヘアリキッドなどもいう。…

【香水】より

…注目すべきは江戸時代に入り,化粧料の発達に大きく寄与したことである。庶民の間では〈伽羅(きやら)之油〉や〈花の露〉のような鬢付(びんつけ)油が,香水のなかった時代の芳香化粧品として愛用されていた。時代が下るにしたがって芳香化粧品のなかに新製品が生まれるが,商品名はそのまま受け継いでいるものがあった。…

※「鬢付油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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