鬼念（読み）きね

精選版 日本国語大辞典

き‐ね【鬼念】

〘名〙 (「ね」は「ねん（念）」の変化したもの)

① 鬼のように無慈悲な心。悪心。また、その人。

② 偏屈で無粋な人。物事に練れていない人。やぼ。無粋。遊里に始まり文政・天保（一八一八‐四四）ごろ上方に流行した語。

※洒落本・箱まくら（1822）下「またはらの悪いの、またはぶすいじゃのといふ事を、鬼念(キネ)ともいふ」

③ 立腹することをいう、花柳界の語。

※洒落本・短華蘂葉（1786）「ヱラきねでなんちへ往(い)くと言なさるし」

出典　精選版 日本国語大辞典