鯨波村(読み)くじらなみむら

日本歴史地名大系 「鯨波村」の解説

鯨波村
くじらなみむら

[現在地名]柏崎市鯨波・鯨波一―三丁目・天神てんじん町・番神ばんじん二丁目・東の輪とうのわ

東は下宿しもじゆく村、西は頸城くびき青海川おうみがわ村、南は同郡谷根たんね村、北は日本海に面する郡境の村で、中世まで米山三十里よねやまさんじゆうりと称され、上越地方と中越地方とを結ぶ北陸道の要路に位置した。文明一八年(一四八六)七月、道興准后は「廻国雑記」に「くじらなみといへる浜を行けるに、折節鯨のしほをふきけるを見て」として「わきてこの浦の名にたつくしら波曇るうしほを風も吹也」と詠んでいる。御館の乱の際の天正七年(一五七九)二月一四日付上杉景勝書状(西沢徳太郎氏蔵)によると、旗持はたもち城将佐野清左衛門に対し、地下人を召集して景虎方の拠る「鯨浪小屋」を押えるよう命じ、同月二五日これを降して琵琶島びわじま城への侵攻を目している(同年二月二五日付「上杉景勝書状」同氏蔵)

近世の支配は柏崎町と同じ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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