鳥・禽(読み)とり

精選版 日本国語大辞典 「鳥・禽」の意味・読み・例文・類語

とり【鳥・禽】

[1] 〘名〙
古事記(712)上・歌謡「萎え草の 女にしあれば 我が心 浦渚(うらす)の登理(トリ)ぞ」
② 特に、鶏(にわとり)をいう。
※伊勢物語(10C前)二二「秋の夜の千夜を一夜になせりともことば残りてとりや鳴きなん」
③ 特に、雉(きじ)をいう。
徒然草(1331頃)六六「花に鳥付けずとは、いかなる故にかありけん長月ばかりに、梅の作り枝に、雉を付けて」
④ うまく利益をせしめることのできるような相手。かけごとや詐欺(さぎ)などをするのに都合のよい相手。よいえもの。鴨。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一〇「水鶏といふは鳥か懸った 紋日紋日難波入江にあらね共」
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)五立小幕「今夜も爰に見世を張って、ドレ、いい鳥を待たうか」
鳥肉。特に、鶏の肉。
撰集抄(1250頃)五「食物はうをとりをもきらはず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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