朝日日本歴史人物事典 「鳥居清倍(初代)」の解説
鳥居清倍(初代)
江戸前期の浮世絵師。初代鳥居清信と併称される初期鳥居派の代表的絵師。江戸の人。清信の子とされるが確証はない。考証の確実な役者絵でみる限り,宝永7(1710)年から享保3(1718)年にかけて活躍,主要な作品は正徳年間(1711~16)に集中している。清信様式を発展させて瓢箪足蚯蚓描の描法を完成,勇壮な役者絵の版画を多作した。洗練された優美な美人画や鷹図などもあるが,確証ある版本作品・肉筆作品は報告されていない。代表作に「竹抜き五郎」「草摺引」「暫」「象引」などがある。没年は詳らかではないが,享保3年からまもない時期に早世したものと推測される。
(浅野秀剛)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報