鳴門(読み)ナルト

デジタル大辞泉 「鳴門」の意味・読み・例文・類語

なると【鳴門】[地名]

徳島県北東部の市。鳴門海峡に面する。製塩業で発展。現在は製薬養殖業繊維・農業が盛ん。人口6.2万(2010)。
鳴門海峡

なる‐と【鳴門/鳴戸】

潮の干満の際、潮流が渦を巻いて鳴りとどろく瀬戸。「阿波の―」
「これやこの名に負ふ―の渦潮玉藻刈るとふ海人娘子あまをとめども」〈・三六三八〉
鳴門巻き」の略。

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改訂新版 世界大百科事典 「鳴門」の意味・わかりやすい解説

鳴門[市] (なると)

徳島県北東端,鳴門海峡に臨む市。1947年撫養(むや),鳴門,瀬戸の各町と里浦村が合体,市制。55年大津村,56年北灘村,67年大麻町を編入。人口6万1513(2010)。市の中心は撫養で,岡崎城の城下町として発達した。1599年(慶長4)に塩田(撫養塩田)が開発され,また牟夜(むや)ノ戸(撫養港)は阿波の玄関口としてにぎわった。港からは藍玉,塩,サトウ,タバコなどが積み出された。製塩法の転換により1971年末で塩田は姿を消し,その跡地は総合グラウンド,公園,鳴門教育大学などに変貌している。製塩業と関連して明治半ばより医薬品,化学薬品などの製造業が盛んになっている。年間250万人の観潮客を迎える鳴門公園が鳴門海峡に臨む大毛島の北端近くにあり,ここから海峡を渡って淡路島と結ぶ大鳴門橋が85年に完成。2002年鳴門インターチェンジの開通によって,高松自動車道と大鳴門橋が接続した。鳴門スカイライン(1996年無料開放)は瀬戸内海眺望にすぐれている。西部の大麻山の南麓には大麻比古神社があり,とくに正月は参拝客でにぎわう。付近には第1次大戦時にドイツ人捕虜収容所があったのを記念する市立ドイツ館,四国八十八ヵ所1番札所の霊山りようぜん)寺,2番の極楽寺もある。なお,この収容所で日本で初めてベートーベンの《第九交響曲》の第4楽章が演奏された。岡崎城址は公園となっており,徳島出身の人類学・考古学者鳥居竜蔵を記念した県立鳥居記念博物館がある。JR鳴戸線が通じる。
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百科事典マイペディア 「鳴門」の意味・わかりやすい解説

鳴門【なると】

魚肉のすり身を加熱した練り物の一種。スケトウダラやグチのすり身を用いる。竹簀(たけす)に無色のすり身を広げ,その上に赤く着色したすり身を置いて巻き込み,蒸したもので,切り口が渦巻状になるためこの名がある。彩りがいいので,めん類のあしらいによく使われる。→練製品

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「鳴門」の解説

鳴門
(通称)
なると

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
鳴戸
初演
文政4.7(名古屋・橘町芝居)

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事典・日本の観光資源 「鳴門」の解説

鳴門

(徳島県鳴門市)
日本百景」指定の観光名所。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鳴門」の解説

鳴門 (ナルト)

学名:Citrus medioglobosa
植物。ミカン科の常緑低木

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世界大百科事典(旧版)内の鳴門の言及

【ちくわ(竹輪)】より

…ちくわの名は,串を抜いて小口から切るとその断面が竹を輪切りにした形に見えるためで,この名称は1674年(延宝2)刊の《江戸料理集》あたりから見られる。《守貞漫稿》には〈今制ノ竹輪,右ノ図(略)ノ如クス,蓋シ外ヲ竹簀ヲ以テ巻包ミ蒸ス,故ニ小口下ノ如キナリ〉とあるが,この形は現在では〈鳴門(なると)〉と呼ばれるものや〈ちくわ麩(ぶ)〉がうけついでいる。現在のちくわはスケトウダラなどの冷凍すり身を用い,かまぼこの下級品といったイメージが強いが,トビウオを原料とする鳥取のアゴちくわなどは良品である。…

※「鳴門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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