鳴き響む(読み)なきとよむ

精選版 日本国語大辞典 「鳴き響む」の意味・読み・例文・類語

なき‐とよ・む【鳴響・泣響】

  1. ( 後に「なきどよむ」とも )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙
    1. ( 鳴響 ) あたりになりひびくほどに鳴く。鳴き騒ぐ。鋭い声で鳴く。
      1. [初出の実例]「うの花のちらまくをしきほととぎす野にも山にもなきとよむかも」(出典:家持集(11C前か)夏)
    2. ( 泣響 ) 大勢の者が泣き叫ぶ。泣き騒ぐ。
      1. [初出の実例]「まして、女宮たち・女御・更衣、ここらの男女、上下ゆすりみちて、なきとよむに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ( 鳴響 ) 鳴きひびかせる。鳴き騒ぐようにする。なきとよもす。
    1. [初出の実例]「夜隠りに 鳴く霍公鳥(ほととぎす)〈略〉あかときの 月に向ひて 行き還り 喧等余牟礼(なきトヨムレ)ど」(出典万葉集(8C後)一九・四一六六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android