鶴亀(装飾)(読み)つるかめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶴亀(装飾)」の意味・わかりやすい解説

鶴亀(装飾)
つるかめ

鶴と亀はいずれも寿命の長い、めでたい動物とされ、縁起物としてさまざまな装飾に用いられた。鶴・亀を瑞祥(ずいしょう)の動物とし、これを装飾のモチーフに用いたのは平安時代からで、『栄花物語』の「けぶりの後」の条に「女房の装束例の心々にいどみたり。すぢをき、鶴亀松竹など、心々にし尽くしたり」とあり、すでにこの時期に、鶴亀松竹の模様が用いられていたことがわかる。なお遺品としては、藤原時代重要文化財「蓬莱山蒔絵袈裟箱(ほうらいさんまきえけさばこ)」(法隆寺献納宝物、東京国立博物館蔵)がもっとも古いものの一つであろう。

村元雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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