鷲見村(読み)わしみむら

日本歴史地名大系 「鷲見村」の解説

鷲見村
わしみむら

[現在地名]高鷲村鷲見

南西穴洞あなぼら村と向鷲見むかいずみ村、南西に流れる鷲見すみ川に沿って細長く集落を形成する。飛騨白川しらかわ一色いつしき(現大野郡荘川村)へは鷲見川に沿って東進し、わしヶ岳(一六七一・六メートル)北麓の栂の尾とがのお峠を越える。麓の鷲見の立石は古来人の畏敬の対象とされ、天明年間(一七八一―八九)同地を訪れた郡上藩の儒者江村北海は「濃北紀遊」に「有霊鷲岩孤峯特立三十丈奇秀無比赤松翠柏」と詠んだ。年不詳の三月三〇日の足利尊氏御教書写(金沢市立図書館蔵本多氏古文書)に「鷲見四郎左衛門申、美濃国鷲見郷・河西郷事、有違乱之由」とある。明徳元年(一三九〇)九月六日の足利義満袖判御教書写(長善寺文書)では、鷲見中務少輔禅峰に対し、相伝の鷲見すみ郷河西河東地頭職が安堵されている。

鷲見村
わしみむら

[現在地名]余呉町鷲見

田戸たど村の北西丹生にゆう川上流域の山村。鷲見川(高時川支流)椿坂つばきざか村の大黒だいこく山東谷に発し、この川沿いに丹生谷と北国街道を結ぶ古道があった。丹生川左岸に鷲の穴とよばれる洞窟(岩屋神社境内)があり、「輿地志略」に「古昔此石窟に大いなる鷲栖んで往来の旅人を悩す、椿坂村郷士之を射殺す」とみえ、「伊香郡志」ではこの鷲を射殺した者を西山にしやま(現木之本町)の郷士西山義員としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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