麻裳よし(読み)アサモヨシ

デジタル大辞泉 「麻裳よし」の意味・読み・例文・類語

あさも‐よし【麻×裳よし】

[枕]《「よ」「し」は間投助詞か》麻を紀伊特産とするところから「紀」「紀人きひと」「紀路きぢ」「城上きのへ地名)」などにかかる。
「―紀へ行く君が」〈・一六八〇〉
「―紀路に入り立ち」〈・五四三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「麻裳よし」の意味・読み・例文・類語

あさも‐よ‐し【麻裳し】

  1. ( 「よ」「し」は間投助詞から ) 地名「紀」「城上(きのへ)」にかかる。
    1. [初出の実例]「朝毛吉(あさモよし) 城上(きのへ)の宮を 常宮(とこみや)と 高くしたてて」(出典万葉集(8C後)二・一九九)
    2. 「たまだすき 畝火(うねび)を見つつ 麻裳(あさもよし) 紀路に入りたち」(出典:万葉集(8C後)四・五四三)

麻裳よしの語誌

アサモは「麻裳」「朝裳」の表記があるが、紀の国で麻を産したことは、「延喜式‐二三」や、「麻衣着ればなつかし紀伊の国の妹背の山に麻蒔く我妹」〔万葉‐一一九五〕からもわかるので、「麻裳」が原義で、良い麻裳を産する紀の国の「紀」にかかると考えられる。転じて、同音の「城上(きのへ)」にもかかった。

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