2個師団増設問題(読み)にこしだんぞうせつもんだい

山川 日本史小辞典 改訂新版 「2個師団増設問題」の解説

2個師団増設問題
にこしだんぞうせつもんだい

日露戦争後,19個師団を整備した陸軍は,さらに25個師団への拡充を計画し,とくに韓国併合後の朝鮮駐在の2個師団増設を主張した。そのための予算要求が,第2次桂内閣に続いて第2次西園寺内閣にも拒否されると,上原勇作陸相は辞職し,内閣は後継陸相をえられず総辞職した。これが憲政擁護運動の一つの原因となったが,その背景には不況のなかで大蔵省が財政緊縮を図り,それに対して陸軍・海軍・内務各省の要求が競合するという状況があった。その後,第2次大隈重信内閣が第1次大戦による好況を背景に師団増設を実現した。

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旺文社日本史事典 三訂版 「2個師団増設問題」の解説

2個師団増設問題
にこしだんぞうせつもんだい

1912年,第2次西園寺公望 (きんもち) 内閣倒閣の原因となった,陸軍の軍備拡張をめぐる政治問題
1910年の韓国併合後,陸軍は朝鮮防衛の名目で2個師団増設を要求していたが,'12年西園寺内閣に拒否されると陸相上原勇作は帷幄 (いあく) 上奏単独辞職し,陸軍は後任陸相を出さなかったので内閣は倒れた。

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