バイシクルモトクロスの略で小型の競技専用自転車、およびこの自転車を用いた競技。米国で1970年代、オートバイのモトクロス競技に憧れた子供たちが自転車でまねたのが始まりとされる。ジャンプやコーナーを配したオフロードを模した専用コースで順位を競う「レース」は2008年の北京五輪から正式競技。人工施設で技の難易度や独自性を競う「フリースタイル・パーク」は東京五輪で公式種目となった。1982年の米映画「E・T」のクライマックスで、主人公の少年がE・Tと空を飛ぶ時に乗っており、日本でも広く知られるようになった。(シドニー共同)
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直径20インチか、24インチの太い車輪が付けられた小型の競技専用自転車、およびこの自転車を用いた競技。バイシクルモトクロスbicycle motocrossの略である。きわめて頑丈な太い小型のフレームをもつが、マウンテンバイク(MTB)のようなサスペンションや変速機はなく、競技専用の特殊な部品以外は自転車の基本パーツだけで構成されている。
BMXの競技には、コースで着順を競うレースと技の難易度を競うフリースタイルがある。BMXレースは2008年のオリンピック・北京(ペキン)大会から自転車競技の正式種目になった。レースは300~400メートルの起伏のあるコースで行われ、最大8人が一斉にスタートし、所要時間に関係なくゴールした順位で勝敗を決定する。オリンピックや世界大会のように難度の高いレイアウトのコースで行われるレースはスーパークロスsupercrossとよばれる。フリースタイルの競技は規定時間内に「トリック」とよばれるさまざまな技を繰り出し、その速さや高さ、組み合わせ、過激さなどが審査され、そのポイントで順位を競う。主として、平坦(へいたん)な舗装路を舞台にしたフラットランドと、クォーターパイプ、ピラミッドなどのセクション(構造物)からなるフィールドで演技をするパークに分かれる。パークは2020年のオリンピック・東京大会(2021年開催)から自転車競技の正式種目に採用された。
BMXは、1970年代初頭にアメリカ西海岸で、オートバイを使ったモトクロスの乗り手にあこがれた子供たちが、小型自転車で模倣することから始まった。その後、アメリカ全土へと広がり、1974年に全米BMX協会(National Bicycle Association:NBA)が発足。1982年に第1回目の世界選手権が開かれた。日本では1982年(昭和57)に公開されて大ヒットしたアメリカ映画『E.T.』で、子供たちが乗っていたBMXが話題となり、広く知られるようになった。その後、1984年に全日本BMX連盟(JBMXF)が発足し、1989年(平成1)の世界選手権(オーストラリア)に初めて3人の日本選手が参加した。
[編集部 2022年2月18日]
(折山淑美 スポーツライター / 2008年)
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