CMC(薬学)(読み)しーえむしー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「CMC(薬学)」の意味・わかりやすい解説

CMC(薬学)
しーえむしー

薬剤の承認審査に必要な申請書類に記載される、原薬や医薬品製剤の化学・製造・品質管理に関する情報。chemistry, manufacturing and controlの略で、それぞれの頭文字をとったものである。広義には医薬品の開発から製造および品質管理までを一貫して行う概念自体をさすことが多い。もともとは欧米の製薬会社が取り入れた、特定の薬剤を一括して管理しようとする考え方であるが、日本でも急速に普及し、専門に扱う部署をもつ製薬会社も多くなっている。なお、原薬とは医薬品のなかに含まれる個別の有効な化学成分のことで、医薬品製剤とは疾病の予防や診断・治療に実際に用いられる薬剤のことである。

 製薬会社におけるCMC研究は盛んに行われており、このなかには、原薬の物理化学的性質、医薬品の製剤処方および製造法、治験の方法、品質評価と管理などにかかわる研究全般が含まれる。加えて、大量生産した場合の品質の安定性や、カプセル錠剤などさまざまな剤形にした場合の安定性、さらには錠剤の飲みやすい形状やサイズ、薬効が最大限となる服薬法や投与法なども研究対象となる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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