知恵蔵 「Cell」の解説
Cell
ヘテロジニアスマルチコアは、PPE(Power Processor Element)と呼ばれる1つの制御用の汎用プロセッサー・コアと、SPE(Synergistic Processor Element)と呼ばれる高速処理が可能な8つの演算プロセッサー・コアで構成されている。PPEでは、主にOSやアプリケーションが実行され、SPEでは、映像や音声などマルチメディア処理が実行される。
Cellは、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が発売した家庭用ゲーム機 プレイステーション3に搭載する目的で開発されたが、開発当初からハイビジョン対応のテレビやレコーダなどのAV機器にも応用できるような汎用性のある設計がなされていたので、2009年には東芝からCellを搭載したテレビが発売されている。
また、LANやインターネットなどのネットワークにCell搭載機器を複数接続し、1つの高性能なコンピューターシステムとして利用する「グリッドコンピューティング」を想定したプロセッサーでもある。
(横田一輝 ICTディレクター / 2010年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報