E.T.(読み)イーティー

改訂新版 世界大百科事典 「E.T.」の意味・わかりやすい解説

E.T. (イーティー)

アメリカ映画。1982年製作。E.T.はThe Extra-Terrestrial。人食いザメのパニック映画《ジョーズ》(1975)で映画史上最高の興収配収の記録を作り,さらにみずからその記録を破って大ヒットしたアメリカ最高の〈エンターテインメント作家〉スティーブン・スピルバーグ監督の作品。10歳の少年と,エクストラ・テレストリアル(地球外生物(宇宙人))の友愛物語で,現代の〈母子家庭に贈る〉おとぎ話ともいえる。出世作《激突!》(1972)から《レイダース・失われた聖櫃アーク)》(1980)まで,ほぼ一貫して“闘い”を描いてきたスピルバーグの作品歴の中で,《未知との遭遇》(1977),《E.T.》の2作が“友好”をテーマとし,作者の感性が2本のSFにナイーブかつ感動的に表現されている。スピルバーグのW.ディズニー志向,とりわけ《ピーター・パン》(1953)への思い入れも,自転車で宙を飛ぶ飛翔(ひしよう)のイメージなどに色濃く表れていて,E.T.が超能力を発揮するときに指先から放つ光輝は,ティンカー・ベルを連想させる。
SF映画
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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