H.D.(読み)エッチディー

改訂新版 世界大百科事典 「H.D.」の意味・わかりやすい解説

H.D. (エッチディー)
生没年:1886-1961

アメリカの女流詩人ヒルダ・ドゥーリトルHilda Doolittleの筆名ペンシルベニア生れ。ブリン・モア大学を中退,1911年ロンドンに渡り,終生そこに住んだ。13年イギリス作家R.オールディントンと結婚するが,のちに離婚。当時やはりロンドンで,イメージを重視する短い自由詩運動〈イマジズム〉を主唱していたアメリカ詩人E.パウンドの傘下に入り,彫琢された硬質の抒情詩を書いた。それら初期の傑作は《海の園》(1916)に収められている。のちに古代ギリシア文化に関心を深め,それらの主題を自分の想像力で再構成した詩を多く書いている。後期には,第2次大戦中のロンドンの壊滅とその再生を描いた《壁は崩れない》(1944)以下の三部作が重要。L.W.ハベルは〈彼女の知的・霊的地平は年と共に拡大した。だが,彼女の詩の本質は全く変わらなかった〉と言っている。最後まで彼女は〈至純のイマジスト〉だったのである。ほかに小説,劇作もある。
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百科事典マイペディア 「H.D.」の意味・わかりやすい解説

H.D.【エッチディー】

米国の女性詩人。ヒルダ・ドゥーリトルHilda Doolittleの筆名。若くして渡欧し,英国の詩人R.オールディントンと結婚,イマジズム運動の代表的存在となった。処女詩集《海の園》(1916年),長詩エジプトヘレン》(1961年)など,またモデル小説,フロイトの思い出を綴った著作でも名高い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「H.D.」の意味・わかりやすい解説

H.D.
エイチディー

ドゥーリトル」のページをご覧ください。

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