IUFM(読み)イーユーエフエム

大学事典 「IUFM」の解説

IUFM[仏]
イーユーエフエム

フランスに1991年から2010年まで存在した初等・中等教員養成のための「大学付設教員養成センター(フランス)」。1989年7月の教育基本法(ジョスパン法)で定められ,92年までに全国31の大学区に1校ずつ設置された。それまでの教員養成は,初等教育については各県にある師範学校中等教育については地方養成センターなどが担っていた。IUFMはそれらを統合して2年間の一貫した教育を行う機関とされた(ただしアグレガシオン=教授資格試験による中等教育のエリート教員の採用は別枠で続いている)。そこでは学士号取得者を対象に,1年目には教育理論や教員資格試験(CAPESやCRPE)のための準備,2年目には教育実習(仮教員として給与が支払われる)を含む専門研修が行われた。しかし2005年の基本法(フィヨン法)は,IUFMを大学内の学校として修士課程に統合した(修士化masterisation)。2010年にはその名称もESPE(Ecoles supérieures du professorat et de l'éducation,教員養成大学院(フランス))と変えられた。2013年にはオランド政権下でさらに見直しが行われ,修士化にともなって廃止された教育実習が復活している。
著者: 岡山茂

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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