MAPキナーゼ(読み)マップキナーゼ

化学辞典 第2版 「MAPキナーゼ」の解説

MAP(マップ)キナーゼ
マップキナーゼ
MAP kinase, mitogen-activated protein kinase

細胞膜から核に至る細胞内情報伝達系で,重要な役割を果たすリン酸化酵素(Ser/Thr kinase).細胞増殖や分化シグナルの伝達で中心的役割を担っている.がん化とも深くかかわっている.増殖シグナルは次のようにMAPキナーゼカスケードを介して核に伝わる.増殖因子→チロシンキナーゼ型受容体→アダプター分子→GTP/GDP交換因子→低分子量Gタンパク質(Ras)→MAP kinase kinase kinase(Raf1)→MAP kinase kinase→MAP kinase→転写因子.[CAS 142243-02-5]


MAPキナーゼ
エムエーピーキナーゼ
MAP kinase, mitogen-activated protein kinase

[同義異語]MAP(マップ)キナーゼ

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「MAPキナーゼ」の解説

MAPキナーゼ

 MAPKと略しERKともいう.静止期におかれた細胞を突然変異誘発物質で処理すると活性化されるタンパク質キナーゼで,セリン-トレオニンキナーゼの一つ.細胞内の信号伝達系の構成因子の一つ.MAPキナーゼキナーゼによってリン酸エステル化され活性化される.この酵素が活性化される条件では,静止期にある細胞は分裂を開始する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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