NGO(読み)エヌジーオー

デジタル大辞泉 「NGO」の意味・読み・例文・類語

エヌ‐ジー‐オー【NGO】[nongovernmental organization]

nongovernmental organization非政府組織。平和・人権問題などで国際的な活動を行っている非営利の民間協力組織。

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精選版 日本国語大辞典 「NGO」の意味・読み・例文・類語

エヌ‐ジー‐オー【NGO】

(nongovernmental organization の略) 非政府組織。平和・人権問題などで国際的な活動を行なっている非営利の民間協力組織。

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百科事典マイペディア 「NGO」の意味・わかりやすい解説

NGO【エヌジーオー】

Non-Governmental Organizationの略称。本来は,国際連合憲章第71条に明記された用語で,国連の経済社会理事会に対し,協議資格を持つ民間団体を指す。その基本的特徴は,政府から独立した私的団体であること(非政府性),その構成や活動の目的が国際的であること(国際性),多国籍企業と異なり営利を目的あるいは配分しないこと(非営利性)などである。国連には,こうした基準に従って,経営者団体,社会福祉団体,宗教団体,消費者団体,女性団体,労働団体などの多様な非営利組織がNGOとして登録されている(国連NGOの項を参照)。しかし,今日では,国連に関係なく,地球的視野の問題解決に非政府・非営利の立場で取り組んでいる市民主導の組織を一般にNGOと総称している。国際的に見るNGOの萌芽は,植民地獲得時代のキリスト教会による慈善活動だといわれる。1855年の世界YMCA同盟や1863年の5人委員会(後の赤十字国際委員会)の結成を経て,第1次大戦から第2次大戦を契機に,被災者・難民・孤児・行方不明者の救援活動や都市の復興活動に取り組む市民団体が数多く誕生した。戦後,特に1960年代にアジア,アフリカで多くの独立国が誕生すると,こうしたNGOが活動の対象をヨーロッパから発展途上国に移すことになった。また,1970年代には,活動対象であったアジア,アフリカ,ラテン・アメリカで,その後南のNGOと呼ばれる住民の自立を目指すNGOが活動を開始した。日本では,戦前の民間による非営利活動は傷病者の看護や社会福祉に限られ,政府の補助的役割を担うという性格が強かった。戦後は,労働運動,消費者運動,非核・平和運動,反公害運動が展開される中で,多くの住民団体や市民団体が結成され,後の環境や人権分野でのNGOの基礎となった。1960年代に入るとアジア地域の開発問題に取り組む団体が設立されるようになり,1980年代のインドシナ難民の流出とこれに取り組む市民団体の結成を契機に,日本でもNGOという言葉が定着するようになった。1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を経て,より強固な市民主導の非営利組織を育成するための制度として,1998年,市民団体にNPOとしての法人格を与えるNPO法が成立した(NPOの項参照)。活動の分野により,人権NGO,開発NGO,軍縮NGO,環境NGOなどと分類されることがある。
→関連項目アムネスティ・インターナショナル永続可能なオランダ・アクションプランオックスファムODA核戦争防止国際医師会議国際自然保護連合国際法律家委員会国際世論国際連合国連開発計画国連人権センター国連世界人権会議障害者インターナショナル地雷人権小委員会対人地雷全面禁止条約ダボス会議地球環境基金パン・インディアン運動反差別国際運動ヒューマン・ライツ・ウォッチワールドウォッチ研究所

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改訂新版 世界大百科事典 「NGO」の意味・わかりやすい解説

NGO (エヌジーオー)

非政府組織non governmental organizationsの略称。NGOは,第1に,国家の政府が追求する国益に拘束されないこと,第2に,国境を越えた自由な提携の運動を高めることの主として二つの特色をもつ国際組織である。後者の特色は,その目的が営利性か否かによって,非営利非政府組織(INGO)と営利非政府組織(BINGO)とに分かれる。前者の国益非拘束条件ともいうべきものは,とくに1950年2月の国連経済社会理事会288号決議(10項)によってその方向が打ち出された。

 非営利のNGOに限ってみても,戦後国際政治のなかでのその成長は目覚ましい。これらのNGOは,60年代以降,年率およそ6%で増大をみてきた。NGOの活動領域は,医療,自然科学,平和運動,宗教および学術文化交流にいたるまで広範多岐にわたっている。そして営利非政府組織については,その活動は,多国籍企業MNC)によって最も典型的に代表される。

 国際政治の新たな行為主体としての非政府組織は,国際関係にさまざまに重要な意義をもたらしている。一つには,非政府組織が政府間国際関係とは異なった脱国家型の国際関係(トランスナショナル・リレーションズ)を台頭させたことである。政府間の国際関係は,厳しく国益が対立しあうため,ふだんに紛争状況に陥りやすい。一方,脱国家型の国際関係は,国益の壁を破ろうとしている。二つ目の意義は,非政府組織が従来のような閉鎖型の国際政治に民主主義の思想を新たにとり入れ,国々の民衆の利益を優先させる新しい世界秩序を構想していく契機をつくりだしている点にある。たとえば,70年代以降,核軍縮に向けた非政府組織の運動が活発である。既成の平和の秩序が問い直されている。この息吹のなかに,イデオロギー体制や主義主張を異にする国々の市民がいかに多く参加していくかが今後の非政府組織の課題でもある。
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ASCII.jpデジタル用語辞典 「NGO」の解説

NGO

国際協力に携わる非政府組織、民間団体のことを指す。民間自発団体(PVO)とも言う。元来、国連によって定められた政府以外の民間団体のことを指し、およそ2500もの団体がカテゴリー別に指定されている。軍縮、人権、開発のほか、環境保全などの活動も行なっている。欧米諸国では1950年代後半からNGOによる開発途上国への国際協力活動が活発化したが、日本では1970年代末のインドシナ難民の大量流出を機に海外協力NGOが次々と設立された。政府ODAに対しても積極的に提言を行なっている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「NGO」の解説

NGO
エヌジーオー

Non Governmental Organizationの略称。民間の非営利的国際協力団体」,非政府組織
1970年代以降,人権・環境・女性・軍縮・開発などの諸分野での活動が注目を集めている。最近ではNGOと区別するために,非政府間国際機構をINGOまたは国際NGOと呼ぶ場合もある。また,国連(特に経済社会理事会)と協議関係にある団体は国連NGOと呼ばれる。その中には,赤十字国際委員会や,アムネスティ−インターナショナルなどがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「NGO」の意味・わかりやすい解説

NGO
えぬじーおー
non-governmental organization

開発途上国への援助活動をしている非政府組織のこと。

[編集部]

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知恵蔵 「NGO」の解説

NGO

非政府組織」のページをご覧ください。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「NGO」の意味・わかりやすい解説

NGO
エヌジーオー

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