PR(読み)ピーアール

デジタル大辞泉 「PR」の意味・読み・例文・類語

ピー‐アール【PR】[public relations]

[名](スル)public relations
官庁・団体・企業などが、みずからの望ましいイメージおよびその施策や事業内容・主義主張などについて多くの人々に知らせて理解や協力を求める組織的活動。
広告。宣伝。「新製品PRする」
[類語]宣伝広告広報プロパガンダ触れ込みアナウンス周知コピーコマーシャル

ピー‐アール【PR】[press release]

press releaseプレスリリース。新聞発表。→ニュースリリース

ピー‐アール【PR】[proliferation resistance]

proliferation resistance》⇒核拡散抵抗性

ピー‐アール【PR】[Paralympic records]

Paralympic records》⇒パラリンピック記録

ピー‐アール【PR】[prop]

propラグビーで、プロップ

ピー‐アール【PR】[ply rating]

ply ratingタイヤの、プライ数。タイヤの層の数を表す語。

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精選版 日本国語大辞典 「PR」の意味・読み・例文・類語

ピー‐アール【PR】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] public relations頭文字 ) 官公庁、団体、企業などが、施策や事業内容、主義主張、商品などについて、大衆の理解と協力を求めるために、各種の媒体を通じて広く知らせること。広報。パブリックリレーションズ。また、一般に、長所・美点を宣伝すること。「PR雑誌」
    1. [初出の実例]「ダメを押すよりは、PRにつとめるべきである」(出典:文学の根本問題(1958‐59)〈中島健蔵〉一二)

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改訂新版 世界大百科事典 「PR」の意味・わかりやすい解説

PR (ピーアール)

広告,宣伝と同義語のようにも使われたり,広報,広聴ともいわれてもいるが,元来はパブリック・リレーションズpublic relationsの略語である。歴史的,実際的に多様な意味をもつが,いずれも世論との関係が基底にあり,その包括概念は〈個人や集団が集団内あるいは他の集団との間で実態やイメージ,問題点などを伝え合い,相互の関係を円滑にしながら世論形成に役だたせる活動である〉と規定できよう。

PR--パブリック・リレーションズという考え方はアメリカで生まれ,発達した。世論を政治の基礎に求めた第3代大統領ジェファソンが考えだしたともいわれている。19世紀末に,報道機関へのニュースの無料売込みである〈パブリシティ〉やその職業人を意味する〈プレスエージェント〉を指して用いた例が発見されている。PR業の〈父〉といわれるリーIvy Leeは,1906年,自社の性格について〈このオフィスは秘密情報局でも広告会社でもない。公衆にとって公・私企業や団体についての有益なニュースを報道機関に対し,率直,迅速に提供する会社である〉と説明している。第1次世界大戦中にウィルソン大統領は〈パブリック・インフォメーション(公報)委員会〉というPR機関を設けた。21年〈PRカウンセル(顧問)〉との職業名が現れたが,このころからPRは一般的な用語となっていった。大戦中のドイツや新しく成立したソ連とイメージが結びつく〈プロパガンダ(宣伝)〉という言葉を嫌悪していたアメリカ人にとっては新鮮な言葉として受け入れられた。29年の大恐慌以来,失業の増加などで社会的非難の的となり,またF.ローズベルトのニューディール政策が実施されるなかで自由企業制度の危機を感じたアメリカ産業界は,世論を好転させ,産業界への政治的介入を防ぐため,PR活動を人事,製造,販売などと並ぶ主要な経営機能として位置づけるようになった。

 日本では,第2次大戦前の1937年,駐ニューヨーク領事であった福島慎太郎がアメリカで対米宣伝にあたるなかでこの種の活動をPRということを知り,外務省に電報を打ったが,本省ではわけがわからず困惑したという話がある。一般の耳目に触れるようになったのは戦後で,日本占領中のGHQ(連合国総司令部)が日本民主化政策の一環として,47年,中央・地方官庁にPRオフィスの設置を〈示唆〉するという形で命じたことを契機とする。このとき,PRを〈公報〉と訳すのが大勢を占め,後に〈PR=広報〉という使い方が普及した。民間では,日本電報通信社が広告表現の新技法としてPR広告を推奨したことも影響し,〈PR=広告,宣伝〉という理解が広まった。

 PR活動では,世論の尊重という理念とは裏腹に世論操作を行ったり,公共利益という言葉を私的利益擁護のシンボルとして使ってきた数多くの歴史もある。日本では1960年代,〈消費者は王様〉論の裏側で〈(消費者に)もっと使わせろ,むだ使いさせろ〉というPR戦略のスローガンが飛び出し,社会のひんしゅくを買ったこともある。また,60年代から70年代には,欠陥車事件をはじめ,製品の安全性や価格問題,自然破壊,公害などで政府や産業界は社会的批判にさらされたが,それは単に〈イメージ〉をよく見せること以上に政府や企業の社会的責任として〈事実や真実性〉の広報,さらには世論をくみ入れる〈広聴活動〉の重要性を認識させた。アメリカでは,1960年代後半から70年代にベトナム反戦,消費者,環境,資源,エネルギー,人種,人権などの問題で広がった社会的亀裂にPR活動が対応できず,またウォーターゲート事件でニクソン大統領のPRスタッフが重要な役割を演じていたこともあり,PRはイメージダウンし続けた。そのため,産業界などでは社会や政治への対応策として,PR部門を〈コーポレートコミュニケーションズ〉や〈パブリック・アフェアーズ〉という名に衣替えするところが相ついだ(〈企業〉〈コーポレート・アイデンティティ〉の項目参照)。

PRの主体は,個人や近隣グループから消費者・市民団体,学校,労働組合,企業,政府,国際機関までさまざまである。対象は,住民,消費者,従業員,商工業者,農民,株主,主婦,学生,有権者,納税者,報道人,国民と無数に想定できる。主体・対象関係は状況や目的によって変化する。PRのコミュニケーション活動は,一般に広報活動と広聴活動に分けられるが,さらに両活動を融合,補完するものとして〈参加交流活動〉を加える考えもある。広報活動の手段には,パブリシティ(報道機関へのニュース素材の提供),マスコミ広告(新聞,雑誌,ラジオ,テレビ),PR誌,ミニコミ紙,パンフレットリーフレット,ポスター,カレンダー,看板,掲示板,スライド,PR映画,VTRなどがある。いずれも集団内外への広報手段となりうる。例えば,PR誌は社内向けでは社内報と呼ばれる。広聴活動の手段には,意見,世論,資料,政・施策などの調査や苦情処理,提案制度などがある。参加交流活動の手段には,討論会(シンポジウム),懇談会,講演会,講習会,見学会,職場公開(オープンハウス),催事,社会奉仕などがあげられる。アメリカで,企業,業界団体だけでなく,労働団体,市民団体など各種団体によって盛んに行われている対議会活動の一つであるロビー活動もPR活動である。

今日,PR活動は,日本はじめ欧米の企業,政府,公共団体などの重要な活動の一つであるが,政府や産業界の独占物ではない。PRの〈パブリック〉は,本来,世論を構成する公衆を指し,社会の諸問題に関心をもち,その解決策を求める人々=公衆にとっても,PR活動は欠かすことができない。環境,資源,福祉,教育,物価,安全保障などそれが社会の重要な課題であるほど,さまざまな利害が渦巻き,相互理解のためのPR活動を行わないかぎり,解決策が得られないからである。その意味で,社会的に支配的な情報源である政府や企業に対する情報公開の制度や,一般公衆が情報や意見の能動的な送り手となることを保障しようとする情報アクセス,メディア・アクセス制度が,PR活動にとって大きな問題となる。

 PR活動は国内問題にとどまらない。日本では,すでに1950年代後半に繊維,70年代以降に鉄鋼,繊維,テレビ,自動車などで,国際摩擦に直面したが,こうした国際問題についても,政治的経済的レベルだけでなく,社会的文化的なPR活動が,相互理解の一手段として考えられるようになってきている。
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流通用語辞典 「PR」の解説

PR【public relations】

パブリック・リレーションズの略で、個人や組織体の存在あるいはめざしている方向に対して、世論や一般消費者から支持を得られるように活動すること。PR活動には広告媒体の活用、販売促進手段の展開など様々なものが考えられる。パブリシティは、主に媒体に記事やニュースとして採用してもらうために情報を提供することである。それに対しPRは、自らかなりの経費を投じて様々な手段で支持獲得活動を展開することであり、パブリシティより積極的で幅広い活動を意味する。

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DBM用語辞典 「PR」の解説

プブリック・リレーションズ【PR Public Relations】

公の理解と承認とを得ることを目的にしたコミュニケーションの型式。料金を支払う広告とは違う。特別に製品やサービスに関わるというよりも、ある問題や論点に関わるもの。パブリック・リレーションズは広くさまざまなメディアに支払を伴わない、ニュースや公の興味項目として位置づけられる。位置づけられる。

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ブランド用語集 「PR」の解説

PR

PRとはパブリック・リレーションズの略で、企業や団体が社会と良い関係を構築するための活動をいう。有料の媒体スペースを買い取って行われる広告よりもパブリシティなどの方法によって行われることが多い。

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百科事典マイペディア 「PR」の意味・わかりやすい解説

PR【ピーアール】

パブリック・リレーションズ

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世界大百科事典(旧版)内のPRの言及

【リウマチ】より

…独立した疾患として慢性関節リウマチrheumatoid arthritis(RAと略す)が記載されたのは16世紀になってからである。現在,リウマチという名をもっている単独疾患は,慢性関節リウマチのほか,リウマチ熱rheumatic fever(RFと略す)とリウマチ性多発筋肉痛polymyalgia rheumatica(PRと略す)で,このうち慢性関節リウマチとリウマチ熱が俗にリウマチといわれ,とくに前者をさしていうことが多い。したがって,単にリウマチという場合には,症状名として使用しているのか,疾患名として使用しているのか,また疾患名として使用されている場合にはどの疾患をさすのか,はっきりする必要がある。…

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