正方形内に四角形のドットを配列して情報を表すQRコード(二次元バーコード)をスマートフォン(スマホ)やタブレットで読み取って、決済する手法。キャッシュレス決済の一つである。利用者はスマホなどにアプリをダウンロードし個人情報を銀行などの決済機関に登録すれば、物やサービスの決済時にQRコードを読み取ることで、銀行口座やクレジットカードから自動決済される仕組みである。QRコード決済には、(1)店頭などに掲示したQRコードを利用者が読み取って決済する店舗提示・利用者スキャン方式「MPM:Merchant-Presented Mode」と、(2)利用者のスマホなどに表示したQRコードを店頭端末(POS端末)で読み込む利用者提示・店舗スキャン方式「CPM:Consumer-Presented Mode」、の2方式がある。とくにMPM方式は、小売店にとって、クレジットカードや電子マネーの決済に必要な専用端末を用意する必要がなく、多くの場合、クレジットカード会社などに決済手数料を収める必要がない。小売店や決済サービス会社にとって、個人情報、商品名、決済額、決済日時などのビッグデータを蓄積でき、広告・宣伝などに活用できる利点もある。一方で、インターネットに依存した決済システムのため災害・停電時に利用できず、偽装QRコードなどから不正利用・決済されるおそれがあり、安全面に問題がある。
QRコードは日本の日本電装(現、デンソー)グループが1990年代前半に開発した二次元バーコードの一種で、縦縞(たてじま)で情報を表す一次元バーコードの数十倍~数百倍の情報量を迅速に伝達することが可能である。すでに中国やスウェーデンではQRコード決済が普及し、決済のキャッシュレス化が進んでいる。キャッシュレス化の遅れた日本では、2018年(平成30)にソフトバンクとヤフーが共同出資したQRコード決済サービス「ペイペイPayPay」が支払額の2割を還元するキャンペーンを実施したことで一気に認知され、「LINE(ライン)ペイ」「楽天ペイ」「オリガミペイ」「Jコインペイ」「d払い」「auペイ」や中国の「アリペイAlipay」など多様なサービスが登場した。日本政府はQRコード決済の普及で、2025年にキャッシュレス決済比率を4割に引き上げる目標を掲げている。日本でさまざまな決済アプリが乱立しても共通でQRコード決済を使えるように、経済産業省はQRコード決済の規格統一化を急いでいる。
[編集部 2019年11月20日]
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