RHEED(読み)アールエッチイーイーディー

化学辞典 第2版 「RHEED」の解説

RHEED
アールエッチイーイーディー

reflective high energy electron diffraction(反射高速電子回折装置)の略称.電子はX線と異なり電荷をもっており,物質との相互作用が強い.このため,電子線は物質の表面から深く貫入することができない.この性質を利用して,超高真空中,数十 keV で加速された電子線を物体の表面すれすれに照射し,反射電子線から得られる回折像より,表面近傍の構造を知ることができる.容易にリアルタイムで知ることができるので,固体表面の原子配列構造だけでなく,結晶成長,固体表面の吸着,脱離過程などの分析に利用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のRHEEDの言及

【電子線回折】より

…1928)らにより行われ,物質波の直接的検証として知られている。1960年以降,超高真空技術の発達に伴い,低速電子線回折(LEED(リード)と略称し,加速電圧数十~数百V),反射高速電子線回折(RHEED(アールヒード)と略称し,加速電圧数kV~数百kV)による固体表面の研究が盛んになった。図のa,bはそれぞれ高速電子線回折(略称HEED(ヒード))およびLEEDの回折装置の概念図である。…

【電子線回折】より

…1928)らにより行われ,物質波の直接的検証として知られている。1960年以降,超高真空技術の発達に伴い,低速電子線回折(LEED(リード)と略称し,加速電圧数十~数百V),反射高速電子線回折(RHEED(アールヒード)と略称し,加速電圧数kV~数百kV)による固体表面の研究が盛んになった。図のa,bはそれぞれ高速電子線回折(略称HEED(ヒード))およびLEEDの回折装置の概念図である。…

※「RHEED」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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