VPN(読み)ブイピーエヌ(英語表記)virtual private network

デジタル大辞泉 「VPN」の意味・読み・例文・類語

ブイ‐ピー‐エヌ【VPN】[virtual private network]

virtual private networkインターネットなどの公共のコンピューターネットワークを、専用回線のように利用すること。データ暗号化し、トンネリングを介して通信を行う。仮想プライベートネットワークバーチャルプライベートネットワーク仮想専用線仮想専用網

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「VPN」の解説

VPN

社外から企業や組織内のネットワークに接続する際に利用される通信技術。バーチャル・プライベート・ネットワークの頭文字を合わせた略語で、仮想私設網とも訳される。ログインにはパスワードが必要で、通信データを暗号化し第三者の侵入やデータの改ざんを防ぐ。新型コロナウイルス流行に伴う在宅勤務者の増加で利用が広がる一方、ハッカー集団に侵入口として狙われる事例も増えている。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「VPN」の意味・わかりやすい解説

VPN
ブイピーエヌ
virtual private network

公衆回線を,専用回線と同様に利用できるよう構築された仮想的なネットワーク。仮想専用網ともいう。かつては電話回線で提供され,一般公衆電話サービス網を,企業の構内専用電話と同様に内線番号だけで通話できるようにしたサービスだったが,今日では外出先から LANに接続したり,LAN同士を結ぶ WANサービスとして提供されている。専用回線を導入するよりも安い費用でネットワークを構築できるため,フレームリレーの後継として普及している。通信事業者が提供する回線を複数のユーザーで共同利用する IP-VPNと,回線にインターネットを利用するインターネットVPNの大きく二つに分けられる。IP-VPNは,IPパケットヘッダラベルと呼ばれる転送経路とユーザーのネットワークを識別する情報を付与することで,複数のユーザーを区別する。同じく通信事業者の回線を使うものに広域イーサネットがあるが,これはイーサネットフレームでやりとりするため IP(→TCP/IP)以外のプロトコルでも利用できるのが特徴で,フレームにグループを識別する情報を入れたタグを付与してユーザーを区別する。インターネットVPNは,IP-VPNなどに比べて費用が安くすむのが利点。ただし,不特定多数のユーザーが利用する回線であるため,通信データをカプセル化するトンネリングや,改竄(かいざん)防止,暗号化など,複数の技術を組み合わせた強固なセキュリティが必要となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「VPN」の意味・わかりやすい解説

VPN
ぶいぴーえぬ
virtual private network

仮想プライベート・ネットワーク。インターネットなどの公衆回線を認証や暗号化技術を使い、あたかも専用回線のように利用できるネットワークサービス。専用回線より安いコストで構築できる。当初は企業の内線電話などに利用されていたが、現在は社内コンピュータ・ネットワーク(イントラネット)を通信事業者のバックボーン回線やインターネットを経由して利用するサービスも提供されている。インターネット経由なら出先の回線からも自社のイントラネットへの接続が可能になる。一方で、同じ回線を多数のネット利用者が共用するため通信速度の保障がなく、情報が盗まれるなどセキュリティ対策も課題になる。

[乾 達]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

IT用語がわかる辞典 「VPN」の解説

ブイピーエヌ【VPN】

公衆の通信網を、あたかも専用の通信回線のように利用する技術、またはサービスの総称。インターネットを介して暗号化したデータのやり取りをするインターネットVPNと、通信事業者が提供するIPネットワークを利用するIP-VPNの2種類が広く普及している。◇「virtual private network」の頭文字から。「バーチャルプライベートネットワーク」「仮想プライベートネットワーク」ともいう。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

知恵蔵mini 「VPN」の解説

VPN

公衆回線を使って構築する仮想の専用回線ネットワーク。第三者の不正なアクセスを防ぎ、かつ専用回線を引くよりも費用が低く抑えられる。インターネットを利用する「インターネットVPN」と、通信会社が用意するネットワークを利用する「IP-VPN」の2種類の方式がある。インターネットVPNでは暗号化機能などをもつ通信機器を使うことでセキュリティーを確保する。IP-VPNは通信会社との契約者だけが共用する回線を利用するためコストは割高になるが、セキュリティーや回線の安定性が高い。離れた事業所のネットワーク同士をつなぐ「拠点間接続」と、接続用のソフトを導入したモバイル端末から事業所のネットワークに接続する「リモート接続」の2種類の接続形態がある。

(2020-5-29)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「VPN」の解説

VPN

インターネットや通信事業者が持つ公衆ネットワークを使って、拠点間を仮想的に接続する技術の総称。「仮想専用線」「仮想私設網」などと呼ばれ、コストが高い専用線の代替として企業を中心に利用されている。VPNは、利用する公衆ネットワークの違いによって大きく2種類に分かれる。インターネットを利用するものが「インターネットVPN」、通信事業者が提供する専用のサービス網を利用するものに「IP-VPN」や「広域Ethernet」がある。インターネットVPNのほうが低コストだが、不特定多数のユーザーが利用するネットワークでセキュリティーを確保する必要があり、IPsecやPPTPなどのプロトコルを使ってトンネリングや暗号化、認証を行っている。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「VPN」の解説

VPN

「Virtual Private Network」の頭文字です。インターネットのような公衆ネットワークをあたかも自社(自分)だけのネットワークのように利用できる技術です。通信を暗号化したり、個々のパソコンからはLANに接続したように見せるなど、VPNの規模によっていろいろな技術が使われます。
⇨LAN

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

情報セキュリティ用語辞典 「VPN」の解説

VPN

インターネット網を経由して行う通信環境。仮想的に構築されたプライベートネットワークのこと。

出典 教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会(ISEN)情報セキュリティ用語辞典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android