Yの悲劇(読み)わいのひげき(英語表記)The Tragedy of Y

日本大百科全書(ニッポニカ) 「Yの悲劇」の意味・わかりやすい解説

Yの悲劇
わいのひげき
The Tragedy of Y

アメリカの推理作家エラリー・クイーンの本格推理小説。1932年作。初めはバーナビー・ロスBarnaby Ross名で発表された。ニューヨークの旧家ハッター家は悪質な遺伝病で悩まされていたが、その当主自殺と思われる死体で港に打ち上げられる。続いて妻のエミリーが惨殺され、一家の少年も毒で倒れるという異様な雰囲気のなかで繰り広げられる事件に、聾(ろう)者で元シェークスピア俳優のドルリー・レーンが捜査に乗り出す。緻密(ちみつ)な構成と伏線張り、予想を裏切る犯人という条件を備えた本格的名作として、しばしば推理小説ベストテンにランクされる。

[梶 龍雄]

『鮎川信夫訳『Yの悲劇』(創元推理文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「Yの悲劇」の解説

Yの悲劇

米国の作家エラリー・クイーンがバーナビー・ロス名義で発表したミステリー(1932)。原題《The Tragedy of Y》。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android