YKK(株)(読み)わいけーけー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「YKK(株)」の意味・わかりやすい解説

YKK(株)
わいけーけー

ファスナー市場の世界最大手で、アルミ建材でも国内トップの企業。1934年(昭和9)吉田忠雄(1908―93)が東京でファスナーの製造販売のサンエス商会を創業。1938年に東京・小松川(こまつがわ)に工場を新設し、吉田工業所となるが、第二次世界大戦時の空襲で工場を焼失した。1945年(昭和20)吉田の故郷の富山県魚津(うおづ)に工場を設け、吉田工業として再起を図る。1950年にアメリカからファスナーの自動生産機を購入、独自の改良を重ね、大量生産によりファスナーの国内トップメーカーの地位を確立した。1954年より富山県黒部(くろべ)市に大規模な一貫生産工場を建設。1959年に最初の海外工場をインドに建設、続いてインドネシアニュージーランドなどに工場を相次ぎ開設した。樹脂を素材とした新しいファスナーを開発する一方で、61年にアルミ建材の生産販売を開始、ファスナーと並ぶ新しい事業部門がスタートした。1976年に初のアルミ建材海外工場をシンガポールに完成。1994年(平成6)に社名を吉田工業から、ブランド名にあわせてYKKとした。グループ会社は世界70か国に118社、株式未公開で資本金120億円(2008)、売上高6726億円(2008。連結ベース)。

[中村青志]

『五十年史編纂室編『YKK五十年史』(1984・吉田工業)』『YKK株式会社編・刊『挑戦と創造の最近10年史』(1995)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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