バーブル・ナーマ(その他表記)Bābur Nāma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーブル・ナーマ」の意味・わかりやすい解説

バーブル・ナーマ
Bābur Nāma

チムール (帖木児)の第5代目の子孫で,ムガル帝国創始者であるザヒール・ウッディーン・ムハンマド・バーブル (1483~1530) の自叙伝。 1494年のみずからフェルガナ太守即位から死の前年にいたるまでの詳細な記録を内容とする。チャガタイトルコ語で書かれ,文学としても高い評価が与えられている。人物や情景描写直截で的確,文章も簡潔でいきいきとしており,トルコ・イスラム文化開花を示す傑作と呼ばれるにふさわしい。現在テキストは2種類残っている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「バーブル・ナーマ」の解説

『バーブル・ナーマ』
Bābur-nāma

インド,ムガル帝国の創設者バーブルが,その母国語であるチャガタイ・トルコ語で著した自伝風の回想録。「フェルガナ」「カーブル」「ヒンドゥスターン」の3部からなる。歴史当事者がみずからの手で書き綴った同時代史料であり,歴史の第一級史料であると同時に,その簡潔で的確な描写,自己についての率直な記述から,トルコ語散文学の最高傑作といわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のバーブル・ナーマの言及

【バーブル】より

…30年アーグラで病没。軍人・政治家として傑出していたにとどまらず,トルコ散文学史上最高の傑作とされる回想録《バーブル・ナーマBābur‐nāma》を著し,またイメージ豊かな多数の詩を残した優れた文人でもあった。【間野 英二】。…

※「バーブル・ナーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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