海外の言語・文化・教育理念などに基づいて教育をする学校。国際学校ともよばれる。おもに在日外国人の子供を対象とするが、帰国子女のほか、日本人の子供も学ぶことができる。日本では1872年(明治5)、横浜市に初めてサンモール・インターナショナルスクールが設置された。在留外国人の増加にあわせて増え、最近は外国語や国際性を身につけるために通う日本人が増えている。英語で教えるインターナショナルスクールのほか、フランス人学校、ドイツ人学校、ブラジル人学校、中華学校、韓国学校、朝鮮学校などが該当する。児童・生徒を対象とするほか、就学前児(2~6歳)を対象とするプリスクールもある。学習指導要領にとらわれず、自由で独自の教育を実施し、学年の始期、終期が日本の制度とは異なり、学区規制も受けない。中高一貫校が多く、多言語で教えるところも増えている。
第二次安倍晋三(あべしんぞう)政権が2013年(平成25)に閣議決定した日本再興戦略以降、グローバル人材を育成するため設置基準の緩和が進んだ。しかし、日本では法律上の定義や規定はなく、学校教育法1条に基づく「学校」、学校教育法134条に基づいて都道府県が認可する「各種学校」、法制度に基づかない「無認可校」の3種類が併存している。インターナショナルスクールに通わせた場合、保護者は就学義務の不履行にあたるケースがあり、日本の学校への転校や上級学校の受験・進学が認められないこともある。日本の大学入学資格を得られるのは、(1)文部科学省が高等学校相当と指定した学校の卒業者、(2)国際バカロレア機構などの教育プログラムの修了者、(3)アメリカ西部地域私立学校大学協会(WASC)など、国際教育認定機関の認定を受けた学校の修了者に限られ、それ以外は、高等学校卒業程度認定試験(旧、大学入学資格検定)に合格する必要がある。公的支援が少なく、授業料は私立校などより高めになる。2020年(令和2)の学校基本調査によると、各種学校(その他の外国人学校に分類)として認定されたインターナショナルスクールは全国に143校あり、在籍者数3万1023人であるが、無認可校とその在籍者が多数にのぼるとみられている。
[編集部 2022年1月21日]
…外国に住む自国の子弟のために,本国の政府あるいは教育関係団体が,母国語で母国の文化を教える目的で,その地に設置した学校をいう。ふつう送りだす側と迎える側の両面をもつ。日本の場合,送りだす側としては海外日本人学校を諸外国に特設し,迎える側としては在日外国人学校の設立を認めている。以下,後者について記すと,その歴史は明治の開国とともに始まる。ダーム・ド・サンモール校(1872,横浜)をはしりにして,アメリカン・スクール(1902,東京)など,欧米人子弟を対象に英語で教える学校が設立され,これらが日本の外国人学校の主流となった。…
※「インターナショナルスクール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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