翻訳|calorie
熱量の単位。ラテン語calor(熱)に由来する。1850年ごろから用いられてきたが,以下に示すとおり,その内容は単純でないし,国際単位系の原則とも合わないので推奨しがたい単位である(国際単位系での熱量の単位はジュール(J)である)。(1)計量法では,温度を指定しないときのカロリー(記号cal)は4.186 05Jに等しく,温度t℃を指定したときのカロリー(calt)は,標準の気圧で質量0.001kgの水の温度を,(t-0.5)℃から(t+0.5)℃まであげる熱量に等しいとする。(2)15℃カロリー(cal15)は,前記の水の温度を,(15-0.5)℃から(15+0.5)℃まであげる熱量で,ほぼ4.185 5Jに等しい。(3)国際蒸気表会議が採用したカロリー(calIT)は,4.186 8Jに等しい。(4)熱化学カロリー(calth)は,4.184Jと評価される。
なお,1000カロリーは1キロカロリー(記号kcal)といい,記号Calで表し大カロリーということもあり,栄養学では大カロリーを単にカロリーという。
執筆者:高田 誠二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
エネルギーの単位は、物理学においてはジュールjouleが用いられるが、栄養学、食品学においてはカロリーを用いている。1カロリー(cal)は、1気圧のもとで水1グラムの温度を14.5℃から15.5℃まで上げるのに必要なエネルギー量(熱量ともいう)である。しかしこの量は小さすぎて単位に用いるのに不便であるため、通常はその1000倍のキロカロリー(kcal)を常用単位として用いている。以前はキロカロリーのことを大カロリーまたは単にカロリーとよんでいたが、最近はキロカロリーとよぶことに統一されている。単位の国際規約によれば、エネルギーの単位は将来すべてジュールに統一することになっているので、日本などではカロリーとジュールの併記が行われている。1キロカロリーは4.184キロジュールに換算すればよい。日本では厚生労働省が健康な人を対象とした「日本人の栄養所要量」を5年ごとに改定し発表している。第6次改定(使用期間2000~2004年)では、30~49歳の1日のエネルギー所要量を、生活活動強度が「やや低い」場合は男で2250、女で1750キロカロリー、「適度」な場合は男で2550、女で2000キロカロリーとしている。
[宮崎基嘉]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
熱量の単位.記号 cal.古くからいくつかの定義があるが,純粋な水1 g を1 atm の下で,温度を14.5 ℃ から15.5 ℃ まで上昇させるのに要する熱量とする定義(いわゆる15度カロリー)が長い間用いられてきた.しかし,最近は国際単位系(SI単位)のエネルギーの単位であるジュール(J)にもとづいて,
1 cal = 4.184 J
とする定義が広く用いられるようになった.厳密を要する場合には熱量の単位として cal は用いず,J を用いることになっている.栄養学で用いているカロリーは大カロリー(1 Cal = 1000 cal)のことである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…そのため,副腎皮質ホルモンの分泌を盛んにさせるストレスの増加や喫煙は,ビタミンCをより多く消耗させるといわれている。ビタミン
【カロリーと栄養所要量】
栄養素のエネルギー量は普通熱量の単位で表され,カロリー(大カロリー)が用いられる。すなわち1kgの水を1℃だけ温度を上げるのに要する熱量が1Calで,物理学でいうカロリー(小カロリー)の1000倍,1kcalに相当する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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