カーリング(読み)かーりんぐ(英語表記)curling

翻訳|curling

デジタル大辞泉 「カーリング」の意味・読み・例文・類語

カーリング(curling)

氷上で行うスポーツの一種。4人一組の2チームが、ストーン(握りのついた丸い石)を氷の上で投げて滑らせ、約37メートル離れたハウス目標区域)に入れて得点を競うもの。ブルームほうき)で氷上を掃き、石の進路を変える。発祥地スコットランド
[補説]綿密な戦略と技術、駆け引きが重要なことから「氷上のチェス」ともよばれる。冬季オリンピックでは男女ともに、1998年の長野大会から正式競技に採用された。

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精選版 日本国語大辞典 「カーリング」の意味・読み・例文・類語

カーリング

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] curling ) 氷上で行なうスポーツの一種。長さ一四六フィート(約四四・五メートル)、幅一五フィート七インチ(約四・七五メートル)のリンクの一端四重の円を描き、握りのついた円盤状の石(ストーン)を滑らせて、中心の円への接近の度合いで得点を競うもの。

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知恵蔵 「カーリング」の解説

カーリング

氷の上で行われるウィンタースポーツの一つ。一般的に長さ150フィート(45.72メートル)、幅16フィート5インチ(5メートル)のシートまたはアイスと呼ばれる細長いリンクで行われる。約20キログラムの花崗岩(かこうがん)でできた石(ストーン)を投げて滑らせ、相手チームよりもハウスと呼ばれる円の中心に近い場所に置いたストーンの数の得点を競う。高度な戦略や技術が必要とされるため、氷上のチェスとも称される。
15~16世紀にスコットランドで始まったという説が有力で、現在のルールは国民的スポーツとなっているカナダで確立されたと言われている。日本では1936年にドイツで行われた冬季オリンピックに参加した選手がストーンを日本に持ち帰り、デモンストレーションを行ったのが最初という説がある。
1998年の長野大会から、冬季オリンピックの正式種目となっている。2018年の平昌大会では女子日本代表チームのロコ・ソラーレ(LS北見)が3位となり、この種目では史上初のメダルとなる銅メダルを獲得した。
試合はリード・セカンド・サード・スキップの1チーム4人で行うが、フィフスと呼ばれる補欠選手を1人登録することができる。攻撃の際の持ち時間は各チーム73分で、コイントスじゃんけんなどで先攻後攻を決め、試合が開始される。
まず先攻チームのリードが1投目のストーンを投げ、次に後攻チームのリードの1投目、続いて先攻チームのリードの2投目、そして後攻チームのリードが2投目を行う。同様にセカンド・サード・スキップと交互に両チームが1人2投ずつ行っていく。この1投ごとに、ストーンが滑る先の氷上をブラシでこすって速度や方向を調整するスウィーピングという作業をすることができる。そうして合計16投したところで1エンドが終了する。この時点でハウスの最も中心に近い場所にあるストーンのチームに得点が入り、相手チームのストーンの中で最も近いものより内側にある数だけ得点となる。なお先攻チームよりもエンドで最後にストーンを投げる後攻チームの方が有利となるため、得点をあげたチームが次のエンドでは先攻となる。両チーム点数の入らないブランクエンドとなった場合は、次のエンドで先攻と後攻が入れ替わることはない。こうしてエンドを10回行って、得点の多いチームが勝者となる。10エンド終了時点で同点の場合は、決着がつくまでエンドが延長される。

(場野守泰  ライター / 2018年)

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百科事典マイペディア 「カーリング」の意味・わかりやすい解説

カーリング

氷上でストーン(円盤状の石や鉄など)をすべらせ,標的に入れて得点を争うボウリングに似た競技。ブルーム(ほうき)で氷面をはいたり,ストーンの周囲の空気を動かしてストーンのコースをコントロールするが,直接ストーンに触れることはできない。1チーム4人(リザーブを入れると5人),2組で行う。スコットランドで始まったという説が有力だが,欧州大陸という説もある。1980年,日本でも〈東京カーリング・クラブ〉が発足した。1988年,カルガリーオリンピックで公開競技種目となり,1998年の長野オリンピックから正式競技種目となった。2006年のトリノオリンピックで女子代表チーム〈チーム青森〉が7位に入賞する健闘を見せ,全試合がTV中継されたこともあって,日本国内でカーリングの認知度が一挙にあがった。2010年のバンクーバーオリンピックでは同じく女子代表の〈チーム青森〉が8位となったが,急速に力をつけた中国が銅メダルを獲得,アジアでの日本の強力なライバルとなった。2014年ソチオリンピックでは,〈北海道銀行〉が5位に入賞した。男子は長野オリンピック以降オリンピック出場権を獲得していない。2013年の世界ランキング上位は男子はカナダ,スコットランド/イギリス,スウェーデン,ノルウェー,スイスの順で,アジア勢では13位に日本,18位に韓国。女子の上位はスウェーデン,カナダ,スコットランド/イギリス,スイス,中国の順で,日本は9位,韓国は10位である。
→関連項目冬季オリンピック

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改訂新版 世界大百科事典 「カーリング」の意味・わかりやすい解説

カーリング
curling

氷上で行われるボウリングに似たスポーツ。取っ手のついた厚みのあるストーン(鉄や石などでできた円盤)を氷上に投げ,その通路をブルーム(ほうき状のもの)で掃いてスピードを調節しながら進ませ,標的の円の中に入れる。発祥地はスコットランドで,古くは石を用いて行った。スコットランドでは1511年の日付のあるカーリング用の円い石が発見されている。1800年代には鉄が使用されるようになり,38年にはグランド・カレドニアン・カーリング・クラブがスコットランドに設立されてルールの整備を行った。現在ではカナダをはじめ,北アメリカやヨーロッパ諸国でも盛んに行われている。1988年の冬季オリンピック・カルガリー大会で公開競技種目として採用され,98年の長野大会からは正式競技種目となった。

 競技は1チーム4人で,2チームの対抗戦。1人2個ずつ,両チームで計16個のストーンを交互に投げあう。投げ手のほかに2人のスウィーパーがリンクに立ち,ブルームをもってストーンが作戦どおり走るよう行動する。得点は全部のストーンが投げられたあと,相手チームのいちばん目標に近いストーンより,さらに中心に近いストーンがあれば,その数だけ得点となる。

 1980年12月には日本にも〈東京カーリング・クラブ〉が作られた。
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