一つの住宅を複数の人と共用し、生活する居住形態、またその賃貸住宅のこと。シェアドハウスshared houseからきた和製英語である。シェアとは英語で共有、分担を意味する。建物は、専用の居室と共用スペースに区分けされており、浴室やトイレ、キッチン、リビングなどを共同で使用するのが一般的である。また、共用スペースにはテレビ、冷蔵庫、洗濯機といった電化製品や家具などが設置されている場合が多い。入居には礼金や敷金などの費用や保証人が不要で、家賃1か月分程度の保証金を納める物件が多く、契約時の金銭的な負担を抑えることができる。外国人向けの場合にはゲストハウスguest houseとよぶこともある。一つの部屋や住宅で他人と共同生活をすることをルームシェアやハウスシェアというが、シェアハウスは、共同生活用に新築、あるいは改築された専用の賃貸住宅で、その家屋や入居者の管理、運営を事業者が行っている物件をさすことが多い。
シェアハウスは、入居者にとっては安く住むことができ、一方の事業者にとっては、共用設備が多いため、個室への投資を節約できるというメリットが重視されてきた。都心部などで空室になった寮やマンションなどの建物を生かし、さまざまな特色をだして改築を施す物件が増加し、入居者の幅も広がっている。たとえば、防犯面を配慮した女性専用、母子家庭や高齢者向け、特定の趣味に取り組みやすい設備があるなど、特殊なサポート体制や利便性の高い機能を共有するシェアハウスである。大都市近郊にある老朽化し入居者が減少した団地の再生方法としても期待されている。2011年(平成23)には東京都日野市の旧多摩平(たまだいら)団地(1960年完成)を大幅に改築し、若者向けシェアハウス2棟、菜園付き賃貸住宅1棟、高齢者向け賃貸住宅2棟が完成した。
[編集部]
(2012-12-19)
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