翻訳|transgender
出生時の性別とは異なる性別を自認する人のこと。性別適合手術を受けて戸籍上の性別を変更する人もいるが、変えていない人も含む。トランスジェンダーとは別に出生時の性別に違和感を持つが、男女どちらかに性自認を定めない人もおり、企業などで性別を気にせずに使えるトイレを設けたり、学校の制服に選択肢を増やしたりする取り組みが広がっている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
生まれつきの身体的性別と、自分が認識する性別(性自認、ジェンダー・アイデンティティ)が異なる人々の総称。「超える」を意味するトランスtransと、「性別」を表すジェンダーgenderをあわせた造語である。トランスジェンダーには、身体的に男性として生まれながら女性と性自認しているMtF(Male to Female transgender)、逆に身体的に女性として生まれながら男性と性自認しているFtM(Female to Male transgender)がある。このほか身体的に男性あるいは女性として生まれながら、どちらの性別でもないと認識しているXジェンダー(MtX、FtX)を含める場合もある。女性の同性愛者レズビアン、男性の同性愛者ゲイ、両性愛者バイセクシュアルとともに、トランスジェンダーはその頭文字からLGBTと称され、多様な性を肯定、尊重しあう総称として社会に浸透している。トランスジェンダーと同等に尊厳をもってつきあうため、性別に関係なく利用できるトイレやシャワーの設置や、学校の制服に選択肢を増やすなどの取り組みが広がっている。ただ世界のスポーツ界ではLGBの参加は好意的に受け止められているものの、トランスジェンダーだけは、身体的に男性として生まれながら女性を自認するMtFが女性競技に参加するケースがあり、男性ホルモン(テストステロン)値での規制などの制限がとられるのが実態である。
なお医学的概念として、生物学的性別と性自認が一致しない性同一性障害(gender identity disorder)がある。性同一性障害の人々は手術などで性自認と身体の性別を一致させたいと願うのに対し、トランスジェンダーには、不一致感がある人とない人、あるいは不一致感が持続する人としない人がおり、トランスジェンダーは性同一性障害より多様で広義の概念といえる。日本の性同一性障害特例法(「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」平成15年法律第111号)では自身を身体的、社会的に自認している性別に適合させようとし、そのことについて専門の医師2人以上による診断が一致している人が「性同一性障害者」であると定義している。
[矢野 武 2021年7月16日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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