アラビア半島東部,ペルシア湾に面するアラブ首長国連邦の構成国。ドゥバイ,デュバイなどとも表記する。英語ではDubaiとも。面積約4000km2,人口117万(2003)。首都ドバイ市には12kmに及ぶ運河があり,かつて真珠とりの船でにぎわった面影をのこしている。真珠の取引を中心として,古来イラン人などの外国人居住者が多かったが,16世紀以後はポルトガル人をはじめとするヨーロッパ人も居住し始めた。石油収入による開発投資が始まると,他のアラブ諸国人,イラン人,パキスタン人,インド人などの新たな流入が始まった。今日の支配部族バニ・ヤース族の有力支族ブー・ファラーサ族は1833年にアブ・ダビーから移住し,独立を宣言した。19世紀後半からマクトゥーム家のもと,港を整備し開放政策をとったため,湾岸地域での国際貿易の中心としての地位をしだいに強め,今日でも連邦の輸出入や湾岸地帯への仲介貿易の主要部分を担っている。他の湾岸諸国と同様,ドバイでも石油が重要な役割を果たしている。ドバイの石油利権は1936年にイギリス系のイラク石油会社に与えられたが,第2次大戦後アメリカ系のドバイ石油会社(DPC)に移り,66年に海上で油田発見,69年から生産が開始された。75年に政府はDPCの全面国有化を実施した。現在ドバイは年約28万バレルを生産し,連邦第2位の産油国となっている。石油とならぶドバイ経済の柱は貿易と金融業である。物流のハブとしてのドバイ空港は域内でもっとも活発な空港であり,海ではラーシド港,ドバイ乾ドック,そして世界最大級のジュベル・アリ港がよく知られている。観光にも力を入れ,ホテルやゴルフ場,アミューズメント施設などの建設が進められる一方,ジュベル・アリの自由貿易地域ではさまざまな投資優遇措置がとられ,多くの外国企業が進出している。2010年世界一の高さ(828m)をもつビルが完成した。
執筆者:冨岡 倍雄
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アラブ首長国連邦を構成する7首長国の一つ。アラビア湾(ペルシア湾)南岸に位置し、南はアブ・ダビ、北東はシャルジャーに隣接する。ドゥバイ、ジバイDibaiともいう。面積3885平方キロメートル、人口約84万6600(2001推計)。人口の大部分は首都のドバイ市に集中し(約84万0400、2001推計)、イラン人、インド人など外国人も多い。ドバイ市は12キロメートルの入り江にまたがる都市で、「水の都」といわれ、かつては真珠とりの船が出入りした。現在は、湾岸最大の国際貿易港として栄え、中継貿易や金融・商業の中心地である。また、造船、アルミニウム、石油精製などの工業化も推進している。
[原 隆一]
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…面積約4000km2,人口70万(1996)。首都ドバイ市には12kmに及ぶ運河があり,かつて真珠とりの船でにぎわった面影をのこしている。真珠の取引を中心として,古来イラン人などの外国人居住者が多かったが,16世紀以後はポルトガル人をはじめとするヨーロッパ人も居住し始めた。…
※「ドバイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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