フォード・モーター(読み)フォードモーター

共同通信ニュース用語解説 「フォード・モーター」の解説

フォード・モーター

米国の大手自動車メーカー。米自動車大手3社(ビッグスリー)の一角で、米国で売れ筋ピックアップトラック「F―150」やスポーツカーマスタング」などを製造、販売している。2014年12月期の売上高は1441億ドル(約17兆円)で、14年の世界販売台数は約632万3千台。資本提携していたマツダの株式を15年に全て売却したものの、生産などの協業は続けている。フォードのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は、かつてマツダ社長を務めた。(ボストン共同)

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百科事典マイペディア 「フォード・モーター」の意味・わかりやすい解説

フォード・モーター[会社]【フォードモーター】

米国を本拠地とし,GM,クライスラーとともにビッグスリーといわれた自動車会社。1903年H.フォードが設立し,1908年に自動車でははじめての大量生産方式(フォード・システム)による低価格車T型フォードを発売して大成功,1924年には市場の50%余を制した。しかし低価格をねらい一車種生産にこだわったためその後の自動車市場の多様化に適応できず後退。第2次大戦後は積極策をとり,スポーツセダンやコンパクトカーなどを次々と開発し,車種の幅を広げた。現在,〈フォード〉〈リンカン〉〈マツダ〉〈ジャガー〉〈マーキュリー〉〈ランドローバー〉〈ボルボ〉の7ブランドを擁する。最近では金融サービス事業も積極的に展開。クレジットをはじめ保険,自動車レンタルなどで自動車以上の利益を上げている。英国フォード社,ドイツ・フォード社など,海外子会社も持つ。日本では日産ディーラーを通じて販売網を広げ,また1996年にはマツダ傘下におさめた。1999年,スウェーデンボルボ社の乗用車部門を買収。本社ミシガン州。2009年,GM,クライスラーが相次いで経営破綻し,20世紀の米国資本主義を牽引してきた自動車産業の最後の砦となった。2011年12月期売上高1362億6400万ドル。
→関連項目オートメーション自動車工業セント・ルイスデトロイト日産自動車[株]ミシガン[州]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォード・モーター」の意味・わかりやすい解説

フォード・モーター
Ford Motor Company

アメリカ合衆国の自動車メーカー。1903年ヘンリー・フォードにより設立された。1908年に売り出した大衆車 T型フォードの成功,さらに 1913年に導入した流れ作業による大量生産方式のフォード・システムの成功によって世界一の自動車メーカーに発展,1917~26年にはアメリカにおける自動車生産の過半を占めた。1920年代後半になって T型フォードも伸び悩み,生産台数においてもゼネラル・モーターズに首位の座を奪われ,1937年にはクライスラーにも抜かれて 3位に転落,一時は国有化も取りざたされたが,1945年社長に就任したヘンリー・フォード2世の積極経営によって盛り返した。海外進出にも積極的で,100%出資のフォード=ベルケ(ドイツ),フォード・モーター(イギリス),94%出資のフォード・モーター・オブ・カナダやスペイン,ブラジル,アルゼンチン,オーストラリア,メキシコなどに関連子会社・工場をもつ。事業内容はフォード,マーキュリー,リンカーン・コンチネンタルなどの乗用車やトラック,トラクタなどを主力に,通信・電子機器,冷蔵庫,ラジオを生産している。1985年スペリーの農業機械部門を買収し,1987年にオールステイト保険から PMIモーゲージ保険を買収。1989年にイギリスのジャガー,パラマウント・コミュニケーションズのアソシエイト・ファースト・キャピタルを買収する一方,ルージ製鉄,フォード・アエロ・スペースを売却。さらに 1996年4月には,1979年から資本提携していたマツダの株式の 33.4%を取得し経営権を獲得,傘下に収めた。1996年 USLキャピタルの大部分を売却,1997年には大型トラック事業も売却する一方,1999年にスウェーデンの自動車メーカー,ボルボから乗用車部門を買収した。2008年金融危機による経営難のためジャガーを売却,2010年にはボルボも売却した。

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