フルハイビジョン(読み)ふるはいびじょん(その他表記)full high vision

知恵蔵 「フルハイビジョン」の解説

フルハイビジョン

現在のハイビジョン放送/Blu-ray Discでの映像の最大サイズである、「1920×1080ドット」のこと。主にAV機器プロモーションで使われており、「1920×1080ドットを、欠けることなく表示可能・記録可能な機器」を示す用語として使われている。
 日本の家電業界では、JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)の定義により、ハイビジョンとは「垂直画素数が650以上の機器」と定められているのみで、フルハイビジョン/フルHDを定義する言葉はない。事実、37型以下の比較的小型のテレビや、プラズマテレビの場合には、1920×1080ドットよりも小さな、1366×768程度の表示しか行えない製品も多い。
 そのため、特に2006年以降、1920×1080ドット表示が可能な、ハイエンド液晶テレビをプロモーションする目的から、「ハイビジョンのすべてを表示可能な機器」という意味で利用されはじめた。細密な表現が得意な液晶テレビの特徴を表すものだが、多分に、当時は高解像度化が難しかったプラズマテレビとの差別化を意識したフレーズである。実際には、画質は表示解像度だけで決まるものではなく、「フルハイビジョンでなければ美しくない、映像のすべてを表現できない」というわけではない。
 だが、画質を数字の大きさで示す、というわかりやすさから急速に定着、現在はプラズマテレビも含め、ほとんどのハイエンド・ハイビジョンテレビがフルハイビジョン対応となっている。
 なお、フルHDでないテレビが、フルHDのそれとほぼ半分の画素数であることから、それらの製品を「ハーフHD」と称する場合もあるが、これは誤用。すでに述べたように、垂直解像度が650ドット以上あれば「ハイビジョンテレビ(HDTV)」であり、「ハーフ」ではないからだ。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許されるという風習。また、4月1日のこと。あるいは、かつがれた人のこと。四月ばか。万愚節。《季 春》[補説]西洋もしくはインドに始まる風習で、日本...

エープリルフールの用語解説を読む