原発の使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを加工した混合酸化物(MOX)燃料を、通常の原発で利用すること。大量保有するプルトニウムを消費するため、実用化のめどが立たない高速増殖炉に代わるつなぎの策として、政府が1997年に推進を閣議了解した。MOX燃料の検査データ
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(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)
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MOX(モックス)燃料を軽水炉で使用する原子力発電方式.欧米では,1980年代からMOXは多数の商業炉で発電用に利用されており,わが国でも敦賀1号機や美浜1号機で使用されたことがある(1986~1991年).新型転換炉原型炉“ふげん”は,MOX燃料使用のテストを目的とした重水減速沸騰軽水冷却型炉で,2003年3月に試験を終了し,運転を終了した.ふげんで使用された燃料は,1.5% 濃縮ウラン(UO2),天然ウランと0.5% プルトニウム混合酸化物(PuO2/UO2)であった.わが国においては,高速増殖炉開発の遅れなどを受けた1994年の原子力開発利用長期計画の見直しにより,プルトニウム利用はプルサーマルが当面の主流となった.電気事業連合会が1997年公表したプルサーマル利用計画によると,2010年までに16~18基の発電用原子炉でプルサーマルを導入することになっている.MOX燃料使用に関してとくに問題はないものの,臨界事故やその後の原子力発電所における原子炉損傷事故などのために,実施は大幅に遅れている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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