ポケットベル(読み)ぽけっとべる(英語表記)pocket bell

デジタル大辞泉 「ポケットベル」の意味・読み・例文・類語

ポケット‐ベル(pocket bell)

ポケットに入るような小型の無線受信端末。液晶画面に数字列や簡単な文字列などを表示でき、普通の電話機から呼び出してメッセージ文を送れるが、通話はできない。商標名で、一般名はページャーまたはビーパーポケベル
[補説]日本では、日本電信電話公社(現NTT)が昭和43年(1968)よりサービス開始。後にNTTドコモが事業継承、クイックキャストと名称変更したが、平成19年(2007)にサービス終了。また、同種サービスである東京テレメッセージのマジックメールも令和元年(2019)9月末に終了した。

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共同通信ニュース用語解説 「ポケットベル」の解説

ポケットベル

ポケットサイズの携帯用受信端末を使った無線呼び出しサービス。国内では1968年に当時の日本電信電話公社が東京23区で開始した。当初は電話をかけると端末が鳴動するだけだったが、後に文字情報も表示できるようになり、90年代には若者を中心に利用が拡大。ポケベルへメッセージを送り合う「ベル友」の言葉も生まれ社会現象となった。90年代半ば以降、携帯電話PHSの普及で急速に市場縮小。NTTドコモは2007年にサービスを終了した。

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精選版 日本国語大辞典 「ポケットベル」の意味・読み・例文・類語

ポケット‐ベル

  1. ( Pocket Bell ) 呼び出し専用の小型携帯用受信器の商標名。ポケベル。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポケットベル」の意味・わかりやすい解説

ポケットベル
ぽけっとべる
pocket bell

ポケットに入る小型の携帯用無線受信端末、およびそれを利用した電文サービス。無線呼出しサービスあるいはページングサービスともいう。

 ポケットベルの携帯者に対して急いで知らせたい用件が発生したとき、相手のポケットベルの呼出し番号を電話網を通じてダイヤルする。この情報は無線基地局に送られ、そこから発射される信号電波によって、携帯者のポケットベルが鳴り、呼出しを行った電話番号が表示され、携帯者は、公衆電話などで表示された連絡先に電話をすれば、用件の内容を知ることができるシステムであった。呼出しに電子メールを用いて短い電文を送ることもできた。

 日本におけるポケットベルサービスは、1968年(昭和43)7月から東京で150メガヘルツ帯を用いてサービスが開始され、その後逐次全国各地に拡大されていった。しかし、150メガヘルツ帯は周波数がきわめて込み合っているため、1978年8月から、新しい周波数帯(250メガヘルツ帯)を用いるとともに、受信機の小型化、連続使用時間の延長、一周波数当りの収容加入者数の増大を図ったサービスが開始された。その結果、1997年(平成9)には1000万を超える加入数であったが、携帯電話の普及に伴い減少し、2001年(平成13)3月時点では加入数144万となった。

 2000年代に入ると、移動中の人に急用を伝えるために呼び出すポケットベル本来の役割が、携帯電話にとってかわられたことから、ポケットベルの役割はニュース速報、天気予報、株価情報などの最新情報を伝えることに重点が置かれるようになってきた。特定多数へのデータ配信機能がポケットベルの特徴となり、これに伴いNTTドコモでは、2001年1月1日からポケットベルの名称を「クイックキャスト」に変更した。英語表記はQuickcast、またはQUICKCAST。クイックキャストは、速い(クイックquick)と特定多数への配信(マルチキャストmulticast)を組み合わせた造語である。しかし、その後も加入者数は減少を続け、2005年には新規受付をやめ、2007年3月末でサービス終了に至った。

[坪井 了・三木哲也]

 2019年(令和1)9月末、唯一ポケットベルサービスを続けていた東京テレメッセージが提供を終了し、ポケットベルの約半世紀の歴史に幕が下ろされた。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「ポケットベル」の意味・わかりやすい解説

ポケットベル
pocket bell

電話サービスの一つ。ポケットベルサービスとは,外出中の人に対して用件が発生した事実を知らせるために,電波を用いて個別的に信号を送る無線呼出業務をいう。ポケットベルシステムは,利用者が携帯する小型受信機,呼出信号電波を放射する無線基地局および電話網内に設置されたポケットベルサービスを実行するためのサービスセンターからなっている。その操作は次のように行われる。まず呼び出したい携帯者のポケットベルの呼出番号を電話網を通じてセンターにダイヤルする。この情報は無線基地局に送られ,これに基づいて基地局から発射された信号電波によって携帯者のポケットベルを鳴らす。信号を受けた携帯者は近くの公衆電話などから,あらかじめ決めてある連絡先に電話をして用件の内容を知るというものである。さらに数字や文字などの簡単なメッセージが転送・表示できるディスプレーポケットベルも登場し,利用範囲は大幅に拡大された。一つの呼出しエリアは通常県単位となっているが,地方一円を呼び出すワイドエリアサービスも提供されている。現在,日本では信号伝送に主として250MHz帯の電波を用い,周波数間隔12.5kHzで運用し,1波に約3万個のポケットベルを収容している。日本のポケットベルサービスは1968年に東京で開始され,以後全国的に普及度は高まったが,携帯電話の普及にとってかわられつつある。
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百科事典マイペディア 「ポケットベル」の意味・わかりやすい解説

ポケットベル

加入者を無線で呼び出す装置。ポケベルとも。加入者を呼び出したいとき,電話でポケットベルの番号をダイヤルすると,加入者の携帯する小型無線受信機に呼出音が出る。加入者は最寄りの電話を使って,あらかじめ決められた連絡先に連絡する。電電公社(現NTT(日本電信電話))が1968年にサービスを開始し,その手軽さから普及が進んだが,のちに携帯電話が広まるとともに急速に衰退していった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポケットベル」の意味・わかりやすい解説

ポケットベル
Pocket bell

NTTなどがサービスしている無線呼出し方式 paging systemの愛称,あるいはこの方式に用いる超小型の携帯用呼出し受信機。外出中の社員などを呼出すのに使われる。普通の電話から,その登録番号をダイヤルすると,ポケットベルが鳴る (振動式のものもある) ようになっている。通話はできないが,メッセージの表示も可能である。 1968年に東京都 23区でスタート,次いで大阪,名古屋,横浜,千葉,福岡など全国主要都市でサービスを行なっており,広く利用されている。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ポケットベル」の解説

ポケットベル

「ページャー」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のポケットベルの言及

【通信機工業】より

…通信機械器具およびその関連機械器具を生産する電気機械工業の一分野。情報を伝送する通信機械は,有線通信機器と無線通信機器とに大別される。有線通信機器には,(1)コードレス電話などの電話機,(2)交換機,(3)ボタン電話,インターホンなどの電話応用装置,(4)ファクシミリなどの電信・画像装置,(5)搬送装置がある。無線通信機器には,(1)テレビ放送機器などの放送装置,(2)トランシーバー,自動車・携帯電話などの無線通信装置,(3)レーダー装置などの無線応用装置がある。…

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