翻訳|media mix
広告計画をたてる際に訴求対象者に広告メッセージが到達しうるように、もっとも効率のよい媒体組合せを決めること。広告計画は、他のマーケティング活動との関連において立案され、その広告目的を達成するための戦略としては、メディア・ミックスと広告表現とが中核となっている。この両者は、ともに同時併行的に進められるだけでなく、相互に関連を保ちながら、消費者の心理状態をどのようにすれば広告銘柄に対して有利に変化させることができるかという観点から最終的に決定される。したがってメディア・ミックスのためには、各広告媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど)の量的・質的特性や機能を検討する資料が必要になる。その際、個々の媒体の到達率のほか、媒体がもっているインパクト度が考慮されなければならない。この場合、複数媒体使用による相乗効果や、広告接触による累積効果など、コンピュータによらないと計量的に測定することがむずかしいものがある。
具体的には、ある媒体の広告に接触した訴求対象者が、できるだけ近接した時点において他の媒体の広告にも接することが望ましい。それは、各種媒体の有機的統合によって相乗効果があがるであろうことを意味する。その際、広告の訴求内容は統一されているということが前提条件である。メディア・ミックスを決定する方式においては、最大の効果と最小の費用という二つの原則に基づいてモデルが構築されている。これまでに開発された数学的アプローチのモデルとしては、リニア・プログラミング、ヒューリスティック・プログラミング、シミュレーション、繰り返しモデルなどがある。1950年代の後半からアメリカの広告会社のモデル開発に刺激されて日本の広告会社も、コンピュータによるメディア・ミックス・モデルの開発に乗り出した。
[島守光雄]
『森崎実監修、根本昭二郎著『広告計画』(1967・同文舘出版)』▽『島守光雄著『明日の広告メディア』(1984・東洋経済新報社)』
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